廃線前を訪ねて


かつて北海道の大地を駆け巡っていた、今は廃線となった国鉄ローカル線のありし日の姿。

©北川宣浩 2000
胆振線

 

廃線前を訪ねて

瀬棚線


線名:瀬棚線(せたな・せん)
区間:国縫(くんぬい)-瀬棚(せたな) 48.4Km
全駅:国縫-茶屋川-美利河-花石-北住吉-種川-今金-神丘-丹羽-北檜山-瀬棚
開業:1929年12月13日 国縫-花石
全通:1932年11月01日
廃止:1987年03月16日
訪問:1979年05月04日

瀬棚駅入場券 瀬棚駅スタンプ

瀬棚線は函館本線の小駅、国縫(くんぬい)から、三本杉岩の奇岩で知られる漁港の瀬棚に向かって伸びていた。
筆者が乗ったのは夜であり、景色はほとんど見ていない。乗りつぶしのためだけに乗ったのだ。なので沿線の風景も、終着駅瀬棚の印象も全くない。
1999年、奥尻島からのフェリーで瀬棚港に着いた。港に「瀬棚駅」の駅名標が飾ってあり、瀬棚と再会した。


瀬棚線--空中写真--1976年


国鉄瀬棚線全駅の空中写真をお目にかける。
国土交通省の地図・空中写真閲覧サービスは、国土地理院がこれまで整備した地図や航空カメラで地表面を撮影した空中写真、公共測量で整備した地図を検索して閲覧することができる。都市計画図、都市計画基図、航空写真、旧版地図、昔の地図、迅速図、迅速測図原図などが自分のパソコンで見られるのは素晴らしい。
昭和末期の写真には今や廃線となった国鉄路線が伸びている写真があり、目を奪われる。このうち駅部分を拡大してご覧いただく。なお、写真によって拡大率は異なる。

国縫くんぬい

函館本線との分岐駅であり、現在も健在である。
瀬棚線のレールは函館本線の南で西へと分かれる。駅は海のすぐそばだ。

国縫駅

茶屋川ちゃやがわ

内陸部の小さな駅。駅裏にあたる北側には耕地が広がるのみである。
現在(2004/08)、数戸の集落があるのみ。駅や路盤の跡はまったくわからない。どこが駅への入り口かもわからなかった。

茶屋川駅

美利河ぴりか

この駅から北に相当行ったところに奥美利河温泉がある。ピリカとはアイヌ語で美しい女性のこと。
駅舎は写真右下。この写真の左側部分に1991年に美利河ダムが完成しており、光景は変わった。現在(2004/08)、美利河駅付近はキャンプ場などのレジャー施設になっており、駅舎や路盤は痕跡もない。

美利河駅

花石はないし

小さな集落の駅。
現在(2004/08)、花石駅付近から瀬棚線跡を利用したバイパス道路ができており、トンネルも瀬棚線のトンネルを活用したものとのこと。花石駅の痕跡はない。

花石駅

北住吉きたすみよし

周りは耕地しかない。民家も少ない。

北住吉駅

種川たねかわ

駅前通りと学校が見える。民家も多く、沿線ではそこそこの集落だったろう。

種川駅

今金いまかね

今金町の中心駅で、さすがに市街地が広がっている。

今金駅

神丘かみおか

どこにあるかもわからないような小さな駅。道路の東側にかろうじてホームだけが見える。民家も少ない。今金駅を1つ出ればこの閑散だ。

神丘駅

丹羽にわ

種川同様の町づくりだ。

丹羽駅

北桧山きたひやま

北桧山町の中心。こじんまりとした市街地がある。北桧山町にはこの駅しかなかった。

北桧山駅

瀬棚せたな

海辺の終着駅。レールは南から北へと向かい、駅北部で止まっている。
さらにその先の海岸沿いに有名な三本杉岩がある。とんがった3本の岩が並ぶ奇景で、瀬棚町北部の海岸は奇岩が多い。

瀬棚駅
三本杉岩


 

TOP