廃線前を訪ねて


かつて北海道の大地を駆け巡っていた、今は廃線となった国鉄ローカル線のありし日の姿。

©北川宣浩 2000
白糠線

 

廃線前を訪ねて

湧網線


線名:湧網線(ゆうもう・せん)
区間:中湧別(なかゆうべつ)-網走(あばしり) 89.8Km
全駅:中湧別-(五鹿山)-(福島)-芭露-(志撫子)-計呂地-(浜床丹)-床丹-(若里)-佐呂間-(堺橋)-(興生沢)-知来-(紅葉橋)-仁倉-浜佐呂間-北見富丘-(東富丘)-北見共立-常呂-能取-北見平和-卯原内-(二見中央)-二見ヶ岡-(大曲)-網走
(  )の駅は、仮乗降場。
開業:1935年10月10日 網走-卯原内
全通:1953年10月22日
廃止:1987年03月20日
訪問:1977年08月03日

網走駅は石北本線が営業中 能取駅、秋は珊瑚草が美しい
スタンプ
常呂駅志撫子仮乗降場

湧網線はサロマ湖と能取湖の淵を走り抜ける、それは風光明媚な路線だった。
最初に訪れたのは1974年の7月、大学自転車部の合宿の時だ。このときは沿線をサイクリングして、集合地の駅によってはスタンプを収集した。実際に乗車したのはあとだ。

珍しいことに、両親と3人で訪れたことがある。別々に北海道へ行き、時にはいっしょに、時には離散して道内を巡った。網走から3人で廃線間近の湧網線に乗り、珊瑚草の繁る能取湖を見て、しばしのローカル線の旅を楽しんだ。
どこかの仮乗降場でリュックを背負ったマニアらしい男が降りたが、回りには何があるわけでなく、どうしてここで降りたのかと3人でいぶかしがった。もしかしたら車両の撮影ポイントがあったのかもしれない。

廃線になってからの1996年、妻子とドライブしたとき、沿線の国道238号線にかかる陸橋の上に自転車が走っているのを見た。湧網線の廃線跡を利用したサイクリングロードに違いない。無性に廃線跡を自転車で走りたくなり、1998年10月に実現した。ずいぶん狭い道幅で、鉄道はこんなわずかな土地で低公害の大量高速輸送が出来たのかと知り、何十年後か鉄道が復権するときが来るかもしれないと思った。


常呂駅スタンプ
佐呂間駅スタンプ

 

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