廃線前を訪ねて


かつて北海道の大地を駆け巡っていた、今は廃線となった国鉄ローカル線のありし日の姿。

©北川宣浩 2000
天北線

 

廃線前を訪ねて

名寄本線


線名:名寄本線(なよろ・ほんせん)
区間:名寄(なよろ)-遠軽(えんがる) 138.1km
   中湧別(なかゆうべつ)-湧別(ゆうべつ) 4.9km
全駅:名寄-中名寄-上名寄-矢文-岐阜橋-下川-二ノ橋-(幸成)-一ノ橋-上興部-西興部-(六興)-中興部-(班渓)-宇津-北興-興部-(旭ヶ丘)-豊野-沙留-(富岡)-渚滑-潮見町-紋別-元紋別-(一本松)-小向-(弘道)-沼ノ上-旭-川西-中湧別-(北勇)-上湧別-共進-開盛-北遠軽-遠軽
   中湧別-(四号線)-湧別
(  )の駅は、仮乗降場。
開業:1919年10月20日 名寄-下川
全通:1921年10月05日
廃止:1989年05月01日
訪問:1977年08月04日

興部駅1981年5月
興部駅1981年5月
興浜南線廃線後の興部駅前1986年9月
興浜南線廃線後の興部駅前。雄武に行くバス乗り場。
旭駅は全国に3つあった
旭駅は全国に3つあった
弘道仮乗降場
弘道仮乗降場
一本松仮乗降場
一本松仮乗降場
渚滑駅
渚滑駅。渚滑線への乗換駅。

宗谷本線の名寄なよろ駅から東へと走り、興部おこっぺでオホーツク海に抜けては海沿いを走り、中湧別なかゆうべつから再び内陸部に入って遠軽えんがるに至っていた。100km以上の線路を持ち、本線と名が付いていたのに、廃線となってしまった線区である。
興部からは興浜南線、渚滑からは渚滑線、中湧別からは同じ名寄本線という名の枝線を有していたのだが、もちろんこれらの盲腸線も廃線になった。
本線と名が付いているにもかかわらず、優等列車は急行「紋別」のみ。ほとんどは1両だけの気動車がとことこ走る、ローカル本線であった。
沿線は山間部は林業、海岸部は漁業のほかは目立った産業はなく、観光といえば冬場の紋別の流氷くらいなもので、全体的に寂しさは隠せなかった。
特筆すべきは、中湧別から北に分岐していた枝線である。ここはなんと1日2便しかなかった。ほとんどまっすぐの線路の途中に「四号線しごうせん」という名の仮乗降場があり、立て札のような駅名標がかわいかった。ここに乗るのは至難の業で、時刻表をひっくりかえして旅程を組んだものだ。どんづまりの湧別ゆうべつ駅は1日2便の終着駅にしては立派だった。

中湧別駅 中湧別駅
四号線駅 中湧別駅入場券

湧別駅入場券
湧別駅 湧別駅

 

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