廃線前を訪ねて


かつて北海道の大地を駆け巡っていた、今は廃線となった国鉄ローカル線のありし日の姿。

©北川宣浩 2000
胆振線

 

廃線前を訪ねて

松前線


線名:松前線(まつまえ・せん)
区間:木古内(きこない)-松前(まつまえ) 50.8Km
全駅:木古内-森越-渡島知内-重内-湯ノ里-千軒-渡島福島-白符-渡島吉岡-渡島大沢-及部-松前
開業:1937年10月12日 木古内~渡島知内
全通:1953年11月08日
廃止:1988年02月01日
訪問:1979年05月03日

松前駅入場券 松前駅

函館のひとつ北、函館本線五稜郭(ごりょうかく)駅から分岐した江差線(えさしせん)が木古内駅でさらに分岐した支線だった。
青函トンネル工事は、当初は渡島福島から地上に出る予定だったのが、新幹線も通すことになり、よりゆるやかな傾斜が求められたため、結局松前線を廃止し、海峡線として木古内に接続し、木古内から江差線を利用して函館方面に抜けるルートになった。
松前は松前藩のお膝元であり、北海道唯一の城があったことで有名である。5月には遅いサクラが咲き、北に暮らす人々を楽しませてくれる。


木古内駅スタンプ 松前駅スタンプ

松前線--空中写真--1976年


国土交通省の地図・空中写真閲覧サービスは、国土地理院がこれまで整備した地図や航空カメラで地表面を撮影した空中写真、公共測量で整備した地図を検索して閲覧することができる。都市計画図、都市計画基図、航空写真、旧版地図、昔の地図、迅速図、迅速測図原図などが自分のパソコンで見られるのは素晴らしい。
昭和末期の写真には今や廃線となった国鉄路線が伸びている写真があり、目を奪われる。このうち駅部分を拡大してご覧いただく。なお、写真によって拡大率は異なる。


木古内きこない

江差線との分岐駅であり、現在は北海道新幹線の駅として健在である。またJR海峡線・道南いさりび鉄道の駅でもある。
松前線のレールは江差線と並行して南に伸び、川を渡ってからまもなく江差線は西へと分かれる。
この写真は左下での分岐がわかるように大きい縮尺にしています。

木古内駅

森越もりこし

海岸沿いを走る国道228号線からひとつ奥まったところに駅がある。

森越駅

渡島知内おしましりうち

知内町は演歌歌手:北島三郎の出身地として知られている。当時の駅は市街地のはずれにあったが、海峡線知内駅はさらに内陸部にあり、湯ノ里知内信号場になった。

渡島知内駅

重内おもない

田園地帯にあり、駅周辺と道道周辺に民家が点在している。
写真上の小高い丘は重内神社で展望台がある。駅は写真左下の白い広場の下にある。重内は駅より東側(写真の右側)のほうが民家が多い。

重内駅

湯ノ里ゆのさと

名前のとおり知内温泉がある。
重内駅との間に現在、海峡線が通っている。

湯ノ里駅

千軒せんげん

かつては権盤坂(ごばんざか)駅と呼ばれた。山岳地帯にある。

千軒駅

渡島福島おしまふくしま

町の西はずれに駅があった。

渡島福島駅

白符しらふ

トンネルを抜けたところにある駅で、写真は2両編成のディーゼル車がちょうど停まっている。階段であがる高架の駅だった。

白符駅

渡島吉岡おしまよしおか

町の西はずれに駅があった。位置がわかるように写真の縮尺を大きくしている。

渡島吉岡駅

渡島大沢おしまおおさわ

海沿いの小高い丘陵地にある駅。視界が開け、海が大きく見えただろう。

渡島大沢駅

及部およべ

海沿いにある駅。写真右側の道路がレールに寄っている部分である。

及部駅

松前まつまえ

北海道唯一の城である松前城のある町。駅は写真左下に、城は写真の右上にある。レールは駅西側で途絶えている。

松前駅


 

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