廃線前を訪ねて


かつて北海道の大地を駆け巡っていた、今は廃線となった国鉄ローカル線のありし日の姿。

©北川宣浩 2000
天北線

 

廃線前を訪ねて

天北線


線名:天北線(てんぽく・せん)
区間:音威子府(おといねっぷ)-南稚内(みなみわっかない) 148.9Km
全駅:音威子府-上音威子府-小頓別-上頓別-(恵野)-敏音知-(周麿)-松音知-(上駒)-中頓別-(寿)-(新弥生)-下頓別-(常磐)-浜頓別-山軽-(安別)-(飛行場前)-浅茅野-猿払-芦野-鬼志別-小石-曲淵-沼川-樺岡-恵北-声問-(宇遠内)-南稚内
(  )の駅は、仮乗降場。
開業:1914年11月07日 音威子府-小頓別
全通:1930年04月01日
廃止:1989年05月01日
訪問:1974年07月22日

音威子府駅
音威子府は林業の町。1986年9月
敏音知駅
ピンネシリ岳のふもとの敏音知駅は、現在は道の駅。
寿仮乗降場
めでたい名前の寿仮乗降場
浜頓別駅
何度も訪れている浜頓別駅。1986年9月

天北線は、旭川の北、宗谷本線音威子府(おといねっぷ)駅から北東に分岐して、浜頓別(はまとんべつ)でオホーツク海に出てここより北上、南稚内に出る北辺の路線で、もともとは宗谷本線だった。その後1930年に北見線と名乗り、1961年から天北線と名乗るようになった。
北辺の地を走る路線らしく、仮乗降場が多かった。なかでも寿(ことぶき)は、幸福行きの切符ブームにあやかって、仮乗降場なのに入場券ができたりした。飛行場前(ひこうじょうまえ)は、まわりに飛行場などなかったが、飛行場を作る計画があったらしく先走りして駅だけは作られていた。人跡未踏とも言うべき、国鉄最長の駅間距離17.7kmを誇る小石(こいし)-曲淵(まがりぶち)など、秘境の話題はそろっていた。
筆者と天北線の出会いは古い。二度目の北海道旅行だった1974年夏、小樽から稚内行きの急行「天北」に乗り込み(厳密には札幌まで快速、札幌より急行になる)浜頓別まで乗っている。以後も何回か乗っているが、興浜南北線とは趣が違って、わびしさを感じない。雄大さが増しているからだろうか。

浜頓別駅
浜頓別駅1981年5月
飛行場前仮乗降場
飛行場などない、飛行場前仮乗降場
小石駅 曲渕駅
小石-曲淵の駅の間には、信号所などなにもない、17.7kmという日本最長の駅間距離を誇っていた。
南稚内駅入場券 浜頓別駅スタンプ

 

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