名人が教える150のノウハウ
クイズである程度の成績を修めたいのなら、不得意分野をなくして、広くまんべんなく答えられるようになることです。しかし人間は興味のないものを覚えるのは苦痛です。楽しいものや好きなものなら自然と身に付くのに、そうでないものなら、何度読んだり書いたりしてもすぐ忘れてしまいます。でも即席で強化したい人のために、クイズに出る前に、不得意分野の勉強を一夜漬け方式でする方法を伝授しましょう。
社会のジャンルから問われるのは、政治・経済・地理・外交・国際・法律などです。どれも女性には不向きのジャンルですが、一番いい勉強法は日々新聞を読むことです。新聞を読めば最近の出来事はたいていわかりますし、クイズによく出る「時事用語」もコラムを設けて毎日解説してあり、切り抜いてファイルしておけば、それだけでクイズ用の事典が作れてしまいます。出場が決まった時だけでもするといいでしょう。
また、いかにもクイズらしいOPEC・FAO・UNICEFなどの略号を問うものは、就職試験用の問題集を読めばみんな出ています。世界一面積の広い国は、日本一大きい半島は、といった地理の問題は、小学校の地図帳にも出ていますので、子供のを取り上げるか、自分が昔使ったのを押し入れから引っ張り出してください。
物理・化学・動植物学・数学などに関する問題は、女性の他、文化系アタマの男性も苦手です。そのワケは、「どうしてそうなのか」と深く理由を探ってしまう性格にあります。いい例がコンピュータで、「どうしてこんなことができるのか」と考え出したら、コンピュータの勉強をよほどした人でもわからないでしょう。その点子供は「おもしろい」と感性で付き合い、なかよく遊んでしまいます。
だからこの分野の勉強は難しい専門書を読んでもムダです。一番やさしく書かれた、それこそ小学校低学年向きに書かれた「理科なぜなに質問箱」「宇宙のひみつ」「発明王エジソン」といったたぐいの本を読むことです。
百科事典を買うにしても、世界大百科事典のようなおおげさなシリーズを揃えるのではなく、一冊になっているデスクタイプのものをお勧めします。ぼくは両方持っていますが、実際使ってみると、クイズにはデスクタイプの方がはるかに便利です。
なお、電気科の学生が電気の問題に間違えたり、医師が人体の問題に間違えたりすることがよくあります。専門的に考えてはダメ。問題を作っているクイズ作家の大部分は文化系です。そんなに難しいクイズを作ったりしません。深く考えないで、単純に考えて答えてください。
文学の問題で多いのが、作家と作品の名をあてるもの。
「第1回芥川賞受賞作品は石川達三の何という作品でしょう」(蒼氓)
「鉄道を舞台とした推理小説で、十津川警部といったら西村京太郎、では鬼貫警部といったら作者は誰でしょう」(鮎川哲也)
クイズマニアは文学書なんて読まなくても、こんな問題ならみんなできちゃうのです。これらは岩波文庫・新潮文庫などの文庫本目録を書店からもらってくれば、作家・作品名・あらすじがみんな載っていますから、それを読めばOK。また、新刊書は新聞の広告を見たり、書店へ行って平積みされている新刊書のタイトルと作家を暗記してくればいいのです。
でも、有名な作品、話題作は内容まで問われます。しかし「源氏物語の光源氏を取り巻く女性の名」や「川端康成の小説に出てくる主人公の名」や「坊っちゃんのエピソード」など、ある程度限られています。
芥川賞・直木賞はじめ文学賞関係のリストは朝日年鑑などに載っていますので、出場前に図書館で調べてください。