名人が教える150のノウハウ
※写真は杉山眞さん一家が出演した時の記念パネル。
ヤマカンクイズの代表としてクイズ・100人に聞きましたを取り上げ、予選の模様や録画手順を解説します。
クイズ・100人に聞きましたは最初は家族対抗クイズ合戦というタイトル(手本にしたアメリカのファミリーフュードをそのまま訳したもの)で、日曜日の昼間に放送していました。視聴率も良く1年後、ゴールデンに格上げされ、いまでは「100人に聞きました」が流行語になるほどです。
この番組のユニークな点は、正解がいくつもあること。普通のクイズは答えが一つでないと成立しませんが、クイズ・100人に聞きましたはアンケートの上位の解答を当てるという、クイズの常識の逆をいっているのです。同じ「滑るものといったらなんでしょう」という問い掛けでも、スキーヤー、受験生、主婦、サラリーマンなど、調査対象が異なれば当然答えも違ってくるので、おもしろさも増すのです。
ハガキに家族構成を書いて申し込めば、抽選で予選会のお知らせがきます。「家族」といっても同居でなくてもよく、いとこなどの親戚までは許されているようです。最近では家族以外のグループ大会も開かれています。予選会は「かなりの地方」でも行われているようです。
東京地区ではハガキの抽選で選ばれた約30組が赤坂のTBSの会議室(リハーサル室)に集合します。グループでするヤマカンクイズは、予選も必ず同じグループでしますので、クイズ・100人に聞きましたなら5人揃って予選にいかなくてはなりません。
まず5人それぞれがプロフィール表を書きます。次に2組ずつが前に出て、スタッフはもちろん他の予選参加者の見ている前で本番同様のクイズ戦をするのです。一人ずつ自己紹介をしたのち、かつて番組で使われた問題が出されます。
テレビで中央に写る、あの電飾パネルはさすがに予選会にはなく、スタッフ手作りの、紙芝居型のボードがそれに替わります。
ここでのポイントは明るく振る舞うこと。そして5人のチームワークがよくとれていること。1人が明るくても、残りの4人が暗ければ、明るい一人は一家の突然変異?として不合格になってしまいます。なにしろもっともアットホームなクイズですので、視聴者からも微笑ましいと思われるくらいの明るさ、家族の仲の良さが見られるのです。
問題を答えるポイントは、例えば「幼稚園児100人に聞きました。ポケットのあるものといったら何でしょう」が出されたとします。
「エプロン」「背広」「ズボン」「スカート」など、いろいろ答えが出るでしょう。でも答えがあっていることより、いかに楽しく答えているかの雰囲気が大事なのです。ヤマカンクイズは知識クイズとはそこが違います。全身から得られるタレント性が出場できるポイントです。大きな声で元気よく、時にはジェスチャーも交えて答えるようにします。
答えの中で誰かが「ドラえもん(何でも飛び出す四次元ポケットを持つ)」と言ったとします。そうなるとこのチームの点は急にあがるでしょう。なぜなら、答えの意外性もこのクイズの一つの売り物なのですから。衣類ばかりが並んだ答えの中に、全然次元の違った答えを言ったとしたら、たとえそれが正解でなかったとしても、ユニークな発想を買われ、大きな得点となることでしょう。本番でも一つの方向からの考えにこだわらず、別の視点で考え直すと、真の答えが見えてくるものです。
一方でモジモジしてなかなか答えられないようでは、とても合格は望めません。テレビを見ていてもなかなか答えられず、ブブブと催促されていることがありますね。あれは見苦しいでしょう。特に子供と年配の出場者に多いようですので、気をつけてください。もちろん子供は子供らしい目で答えればいいのですが、「あのね、わかんなーい」ばかりじゃ、番組になりませんものね。
こうして上位2組を選びます。さらにこの2組でより本格的な対戦をして、どちらか一方が本番出場となるのです。