TVクイズまる金必勝マニュアル

名人が教える150のノウハウ

©北川宣浩 1985
花

6■勉強篇
ここから先を読んだら、 本当のクイズマニアになっちゃう、
お勉強コーナー。


○×クイズはこう考える

 ○×クイズは、すなわち二者択一です。問題文が正しいか間違いか、二つのうちのどちらかを選ぶクイズなのです。なお、○×のかわりにイエス・ノーを用いることもあります。
 ○×クイズはいうなれば、クイズ作家と解答者のチエ較べ。クイズ作家の手に引っ掛かるか、見事にかわすか。単純だからこそ、おもしろさがあるのです。
 ○×クイズで生き残りたいなら、まず豊富な知識を得ておくことです。○×クイズが10問出題されたとして、そのうちの7問を知っている人と、2問しか知らない人とでは、7問知っていた人の方が当然有利です。
 でも○×クイズには、なかなか一般に知られていないようなことがらから出題される場合が多いので、そんな問題に対しては、意外性のあるものは○。あまりに非常識なものは×。もっともらしいものは×。と考えるのが一つのセオリーです。
 しかしやっぱり問題が出た瞬間に自分の直感を信じて、信念をもって判断するのがベストだと思います。 実は、この本のためにいろいろ必勝法を考えたけど、これだ!というものが見つからなかったの。クイズマニアにとって○×クイズはもっとも単純で、複雑で、おもしろく、悩ましいクイズなのです。

三択クイズはこう考える

 問題「現在の宝くじにあたる江戸時代の富くじは、どのような方法で抽選したのでしょうか。

  1. 番号を書いた的をグルグルまわして、矢で射た
  2. 番号を書いた板を箱の中に入れ、キリで突いた
  3. 番号を書いた棒を束ね、抜き出した」

 このように、三つの例の中から正解を選ばせるクイズが三択(三者択一の略)クイズです。知っていればわけないのですが、おおむね意外なことがらから出題されるので、カンで答えざるを得ない場合が多いのです。では上手な解答法はないものでしょうか。

■異質なものを選ぶ
 三つの例のうちの二つはクイズ作家が考えたニセの答えです。この二つの答えはどうもまともな線でまとまってしまう気がします。ほら、「事実は小説より奇なり」というでしょう。本当の答えが「事実」で、ニセの答えが「小説」なのです。また、○×クイズと同じく三択クイズは珍しいとか、おもしろいとか、ヘエーなるほどといった珍な話題から出題しているのですから、真の答えは作家が考えた二つの答えよりも、はるかに意外で、かつ異質なものであることが多いのです。
 そこで三つの例を分析すると、 1の的をまわして矢で射たというのは、現在の宝くじの抽選で用いられている方法にすぎず、あたりまえです。明らかに違うと思う例を最初に消します。つまり消去法を利用するのです。こうすると残りの二つのうちのどちらかを選ぶ二択になって、確率的にも有利になります。 3の棒を抜き出すのもなんとなく占いの筮竹みたいで、わざわざクイズにするほどの珍しさは感じられません。そうなると板をキリで突いた 2が光ってきます。正解はそのとおり 2で、木札を突き刺したところより富くじのかわりに「富突(とみつき)」とも呼ばれたそうです。
 このように三つの中の異質なもの、ちょっと想像しがたいものが正解であることが極めて多いのです。では、次の例題にいきます。

■数字は極端なものを選ぶ

問題「人間の身体で水分がもっとも多いのは脳です。では脳の何%くらいが水分でしょうか。

45%
65%
85%」

 数字が解答例になっている問題ですが、これにも答え方があります。数字は極端なものを選べばたいていそれが正解です。なぜなら、「そんなに多いのか」「それっぽっちでいいのか」と、視聴者に意外感を与えるのを狙いとして出題しているのですから、この場合は当然 3の85%が正解となります。物事を考える脳ミソの5分の4以上が水分とは驚きで、それがこの問題のミソなのです。だから数字を選ぶ三択では、 2が正解になることは少なく、たいてい 1か 3の、大きいか小さいかの数値が答えになります。
 しかし、常に意外なものや極端なものが正解とは限りません。何問も三択クイズが続く場合は、意外なものと素直なものが巧みに配されています。そのときこそカンを働かせて、あまり深く考えずに素直に答えを選んでみるのもいいでしょう。

 

 

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