名人が教える150のノウハウ
見てもいない番組に出るのはいくらなんでもムチャ。第一、ルールも出題傾向もあったもんじゃない。ただ、最初は熱心に見る必要はありません。ゴロリと横になって、食事をしながら、チラリチラリと見るだけでも結構です。つまり、自分をクイズのある環境に置くのです。
こうして見ていくうちにクイズ番組のファンになれば、自然とクイズ番組の雰囲気がつかめてきます。そして「この問題は先日の新聞記事にあった」「ずいぶん女の子にエコヒイキする司会者だな」「今日の優勝者はよくクイズ番組にでている人ね」「この程度のクイズならわたしにもできそうだわ」などと考えながら見るようになるでしょう。
こうなればシメタものです。いつの間にかあなたは、いっぱしのクイズ通になっています。 さあ、出場してみたくなったら、迷わずハガキを出しましょう。
実はこの「テレビのクイズ番組を見る」ことが一番の勉強なのです。このあとの項目には、新聞やクイズの本から知識を得る方法がクドクド出てきますが、それ以上にクイズ番組を見るほうが有効です。なにしろたくさんの問題が手を換え品を換え、毎日のように出題されているのですから。
■ビデオは必需品
クイズの出場が決まったり、クイズを見ないとその日がクラーイ一日になってしまうほどのクイズ中毒患者になったのなら、ビデオの購入をお勧めします。ビデオの普及率は、ちまたでは30%台だそうですが、クイズマニアの間では120%を越えています。つまり、持ってない人はなく、一人で2台3台と持っている人が多いのです。クイズマニアがみんなビデオを持っている理由の第一は、自分が出た栄光のシーンを長く保存しておきたいからです。
ぼくが最初のビデオを買ったのは、クイズタイムショックに勝ち抜いている77年夏のことでした。当時は学生で、しかもビデオは高級品。1台25万円はするので、簡単に手はでませんでした。でも、クイズタイムショックで優勝すれば賞金が入るし、自分の姿をとどめておきたかったから、おもいきって買ってしまいました。その後クイズタイムショックに優勝。ビデオ代も払えて、自分の優勝シーンは今でも見れるし、ビデオは最高の機械です。
ビデオのメリットはまだあります。クイズのカンは、常にクイズに身をさらしていないと養われません。しかし、デートもするだろうし、勉強や仕事もあるから、いつでも必ずクイズ番組を見れるわけでもないでしょう。ビデオならタイマーを利用して、いついかなる時でも番組を録画してくれます。そして、繰り返し番組を見て、じっくり研究できるのです。
■ビデオライブラリーを活かす
自分が出た番組は録画しても、他人が出ている通常のクイズ番組は一度見たら消してしまうのが普通です。でもクイズ番組を欠かさず録画すると、大変な戦略兵器になることも知りました。
板橋区の自営業、大木一美さんは80年ごろから有力クイズ番組を欠かさず録画。クイズのビデオだけで約300巻持っており、クイズグランプリのような終了してしまった番組のビデオもあります。クイズタイムショックは何百回記念といった特番の際、過去の百万円獲得シーンのビデオを大木さんから借りたほどです。テレビ局ではクイズ番組のビデオテープはほとんど保存していないので、クイズ番組のライブラリーに関しては日本一のはずです。
さて、クイズ問題は同じようなものが繰り返し出題される場合が極めて多いのです。だから9月にアップダウンクイズ出場が決まったとしたら、1年前・2年前・3年前……の同番組の9月放送分のビデオをひっぱり出して再生してみるのです。特に季節や行事にちなんだ問題なら、同じ問題が再び出題される可能性が高いでしょう。
あるいは、対戦相手がすでに他の番組に出場しているのなら、その番組を再生してみて、相手の得意不得意を前もってさぐることだってできるのです。
ぼくは大木さんに影響され、82年から有力番組をすべて録画するようになりました。今や、毎週、惰性で録画しています。(注、貸し出し・複写などのサービスは一切行えません)
ビデオのクイズへの利用法はまだあります。先行投資とみれば、安いものですよ。