名人が教える150のノウハウ
どこの世界にもまっすぐ正面から道を歩むより、楽な裏道を捜すのを美徳とする人がいるものです。そこでこういう方法もありうる、というお話をしましょう。
まず、何度予選申し込みハガキを出しても拾われないかわいそうな人は、直接予選会場に行ってしまうテがあります。これにはいつ、どこで、なんの予選があるのかを知らなければなりませんが、グループでクイズを楽しんでいれば情報は簡単に入ります。しかし、名簿が完備してあって該当者以外はいっさいダメという番組もありますので念のため。
予選になんとか呼ばれた、となると次の目標は予選通過。でも予選に受かるには予選問題に7割以上答えなければならない……。そこでこれまた全国組織のグループが活躍します。例えば大阪で予選があって、翌週は東京で予選がある場合、大阪での予選問題をテープにこっそり録音して、東京の友人に送ってあげる……。でもスタッフ側も地区によって問題を変えるなどの手段を講じています。しかしこの方法をすると、実力もないのに予選に通ってしまうのですから、本番では強い人と対戦させられ、結局恥をかくハメになってしまいます。
いざ本番となると、やっぱり頼りにしたいのは他人の力。例えば、クイズ天国と地獄のように単純に○と×でするクイズは、会場の客席からサインを送ってもらいます。会場には局が仕込んでいるバイトが「まるー」とか「ばつー」とか叫んでいますが、友人の声や身振りを頼りに○×のボタンを押すのです。三択クイズでも同様なブロックサイン戦術がとれますね。でも局もさるもの。番組が進行するにつれ、照明を暗くしてサインを見えなくしています。
あるいは出場が決まって対戦相手を調べると、強豪と当たっている場合もあります。こういう時は「すみません。この日はどうしても都合が悪くてまたにしてくれますか……」と出場延期をするものテ。でもその強豪ごとシフトされる場合もあるのです。局は対戦相手の組み合わせも考えて人選しているのだから。
こういうふうに書いてくると、クイズマニアばかりが悪さをしている印象を与えるので、局側の操作も推理しておきます。まず、特定の出場者を意識的に勝たせたり負かせたりするのはよくあり、例えばテレビ局にお知り合いがいるご婦人を勝たせたい場合、その人のプロフィール表に「猫が好き」とあれば、猫の問題を2~3問出して優位にしてやれます。逆に負かせたい場合は不得意ジャンルをたくさん出せばいいのです。そのほか勝ち抜きチャンピオンを負かすために、わざわざ予選も受けていない強豪にストッパーとして出場を依頼する場合も。
クイズマニアの中には、特定の人の早押しボタンにコンデンサー(抵抗器)を仕掛けて、ボタンの反応を遅らせることができると真剣に悩んでる人もいましたが、クイズに出れば出るほどテレビ界のウラを知ってしまい、こんな悩みが出るのもうなづけるのです。