TVクイズまる金必勝マニュアル

名人が教える150のノウハウ

©北川宣浩 1985
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11.タレントは答えを知っているか


 視聴者参加のクイズ番組でも、4月10月の番組改変期には特集としてタレント大会が行われ、番組にリズムを持たせています。でもクイズマニアとすれば、彼等が出ているとその分自分たちが出れなくなるのですから「いつもテレビに出れるタレントよりも、出場チャンスの少ないわれわれに開放して欲しい」という人もいます。わからないでもないですが、テレビ番組はあくまで見る人のために作られているのですから、いたしかたないでしょう。
 あるベテランクイズ作家は、なぜときどきタレント大会をするのかという質問に対し、
「例えばいつものなじみの和菓子屋があるとします。その店はどれもおいしくてお客さんもついているのだが、なじみ客でもたまには違った菓子が食べたくなるでしょう。そこでいつもとは違った菓子を店に出してみる。それを食べたなじみ客はこういう変わった菓子も置いているのか、また来ようと言ってくれるだろう。あるいはいつもは通り過ぎる客も、アレッ!ちょっと変わった菓子があるぞと、これも買ってくれるかもしれない。タレント大会はこういうものと思ってくださいな」
 と答えてくれました。マンネリの防止策の意味もあるのでしょう。

 しかし、一般視聴者の時と違って問題もグッと易しくなり、アイドル歌手でもバッシバッシと答えていく姿を見て、「あれは答えを教えているのでは」と疑問も当然沸いてきます。あるいは優勝したら本当に海外に行くのか、獲得した賞金のほかにギャラも貰っているのではなかろうか、などと、タレント大会へ疑問や不満を持たれる方も多いと思います。

 まず、答えを教えているのか、という疑問ですが、これを面と向かってスタッフに聞いても教えているわけがないと言われるに決まっていますが、ギョーカイの情報を総合してみると、フツーは教えてないそうです。ただし問題のレベルを下げてあることは否定しません。答えを教えると、教えた順序を間違えて次の問題の答えを言ってしまったり、ある漫才タレントは教えて貰ったのにできなかったりとかで、弊害のほうが多いのだそうです。そこで、「これらの中から出題しますよ」と、出題しない問題も含めたリストを前もって見せる番組があるそうです。これなら順番を間違えることはなく、ぼんやりと頭の中に問題の記憶が残り、問題を聞いた瞬間、アッあれだ、と自然な雰囲気で解答してくれるそうです。
 また、旅行もスケジュールの都合で行けないタレントが多いですが、行くと言ったら行けるそうです。賞金の他に当然ギャラは貰ってますので、できないタレントでも生活の心配はいりません。だからわかっていてもわざと間違えて笑いを取る場合もあるようです。

 要するにタレント大会はショーとして見ればいいのであって、勝敗にあまりこだわらないで見た方がいいでしょう。

 

 

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