アメリカ横断ウルトラクイズ
クイズ王の本

歴代クイズ王が語るウルトラクイズ必勝法
「知力・体力・時の運」次のクイズ王はあなた!かも、しれない?

クイズ王の会/篇
©北川宣浩・森田敬和 1987
ニューヨーク

必勝法 現地篇1/成田〜団体戦まで(1)

10人のクイズ王が自分たちの経験を元に、知力・体力・時の運の鍛え方から、クイズ形式別解答法まで、ウルトラクイズのすべてのシーンに勝ち抜く秘密の戦略を伝授する。

国内篇/鍛練〜成田まで

現地篇1/成田〜団体戦まで

現地篇2/本土上陸〜決戦まで

成田を通過する

 いよいよ集合です。費用自分持ちで、例年東京麹町にある日本テレビ本社に夕方集まります。忘れものがないよう、遅刻をしないようくれぐれも気をつけましょう。

 偉いプロデューサーのあいさつなど、簡単な壮行会が開かれることもあります。夕食は済ませてからのほうがいいでしょう。そしてバスに分乗して一路成田空港に一番近いホテル「成田エアポートレストハウス」へ。機械的に男女別に部屋割りが決められます。早めに就寝しましょう。

 翌朝は5時ごろ起床。ホテル1階の大広間「ブルースカイの間」に荷物を持って集合します。いよいよ第2次予選です。

 第10回の腕相撲を除いて、例年ジャンケンです。「ジャンケンクイズ」「負けた方が勝ち」などの企画もありましたが、結局はジャンケンでした。
ジャンケンの場合、確率よりも気合とかけひきで勝負が決まると思います。まず相手を呑む。そして大声を出して「ジャン・ケン・ポン」と言い、自分のペースを作る。一歩前に踏み出して、相手をおどすくらいにします。

 次にかけひきですが、アイコになった次に何を出すかで頭の良さがわかると、よく言われています。仮にパーとパーでアイコになったときどうするか。敵の心理を探ると、

1.敵があんまりおりこうでなさそうなら、パーに勝つチョキを出してくるだろう。あなたはグー、つまりアイコに負けるのを出す。

2.ちょっとおりこうに見える敵なら、あなたが 1のように考えてグーを出してくると推理するだろう。だからもう一度同じもの、この場合はパーを出せば勝ちだ。

3.なかなかてごわそうな敵なら、あなたが 2のようにウラをかいてグーを出すと推理するだろう。そこでウラのウラをかいてパーを出す。つまり、アイコと同じものを再び出す。そこであなたは 1に戻って単純にアイコに勝つチョキを出す。

4.もしも2回つづけてパーのあいこになった場合、3回目はなぜか違うのを出す場合が多い。そのときはチョキかグーを出してくる。それなら3回目はグーを出せば、相手がチョキなら勝ち、グーでも引き分けになる。

 いちがいにこのようにはならないでしょうが、相手の心理と知能程度を読み取って攻めていきます。だれかまわず相手を見つけて勝負してみるのもいい練習になります。

 また、腕相撲ですが、第10回の86年はスタローンの腕相撲映画「オーバー・ザ・トップ」などが話題になったのと、第10回記念ということで行われたようです。腕相撲のコツは、気合と力、そしてスピードはもちろんですが、手首をひねって自分の方へまわしこむようにするといいと言われています。

 成田では今後どのような方法がとられるかスタッフの胸一つですが、知力以外の「体力・時の運」を試すものになることは違いないでしょう。

機内クイズにチャレンジ

 成田で負けても最近はなんらかの敗者復活戦があります。これは人を食った形式のものが多いですが、この敗者復活戦で勝ち残った人の中にはクイズ王の金子さんや第10回の山下哲也さんなどがいます。敗者復活戦は残された最後のチャンス。あきらめないこと。

 飛行機に乗れるのは50人弱。おおむね朝10時ころの便です。定期便だから前の席は一般のお客様。自分のお金で乗るのも可能です。水平飛行に移ったら、スタッフがあわただしく走り回り機内クイズになります。機内クイズは400問のペーパークイズ。クイズはすべて三択で、マークシート方式で解答用紙の答えと思う数字をマーキングペンで塗りつぶしていきます。

 まず、座席の前のテーブルを倒して、テーブルの間にカンニング防止のついたてをつけます。そして問題用紙と解答用紙とペンが配られます。最初に配られるのは前半の200問だけです。問題用紙1ページに20問、計10ページ200問あります。これを普通約15分でやります。約5分のインターバルをおいて後半も15分。前半後半に分けているのは、前半部分を先に回収して、後半をやってもらっている間にスタッフが採点を進めるからです。

 機内クイズはウルトラクイズ問題集にも全問載っているので、一度時間を区切ってやってみるといいでしょう。問題集は縦書きですが実際は横書きで、しかも揺れる機内であることをお忘れなく。よく見ると、かなりやさしいクイズも出題されていることがわかります。

 機内クイズを時間内で答えるにはテクがあります。それは「問題を深く考えないこと」。計算などは時間を費やせばある程度できますが、クイズは知ってるか知らないかそれだけのことです。知らない問題をいくら考えても、いつまでたってもできるわけがありません。3つの選択肢があるのだから、フッと見て知らない問題だったなら、直感で、これだと思う数字を選んでしまってください。

 クイズ王の中には最初にパラパラと問題全部を見回してからとりかかり、なおかつ最後は時間が余って見直す、という人もいます。これは知識量もさることながら、知らなければ適当にマークして、すぐ次の問題に進む、というテクを利用しているからです。

 後半時間がなくなって「あと1分」とでも言われたら、もう問題は読まないで 1でも 2でも、適当な数字を全部塗りつぶしてください。なにも答えてないものは点にはなりませんが、なにかにマークしておけば、3分の1の確率で正解するのです。

 また、三択クイズ全般に言える解答のテクですが、3つの中から異質なものを1つ排除して、二択にしてみること。こうすると正解の確率が3分の1から2分の1に上がります。

 なお、あとで見返して間違いに気付いても、マークの修正はできません。あきらめてください。

 それから、答えの番号には規則性があるのでは?と問題集で答えの番号を調べる人がいるようですが、第1回〜第4回までは40問ごとに同じ番号がパターンとなって繰り返されていました。しかし、第4回でこのパターン方式で答えた人がいたため、スタッフがようやく気付いて第5回からはパターン方式は使えなくなりました。クイズはスタッフと挑戦者の知恵比べ。だんだんと改良されているのです。

 

 

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