アメリカ横断ウルトラクイズ
クイズ王の本

歴代クイズ王が語るウルトラクイズ必勝法
「知力・体力・時の運」次のクイズ王はあなた!かも、しれない?

クイズ王の会/篇
©北川宣浩・森田敬和 1987
ワシントンDCユニオン駅

必勝法 国内篇/鍛錬~成田まで(3)

クイズだから○

 ○×クイズに答えるコツは、答えを知っているのに越したことはありません。日頃から雑学の本や、NHKの「クイズ面白ゼミナール」などを見て、○×クイズに慣れておきましょう。

 でも、次のような考え方もあります。それはわざわざクイズにするのだから○。もしくは×というものです。具体的な問題で説明しましょう。

「アメリカとソ連の間にも姉妹都市はある」

 仮になければ、おもしろくもなんともありません。この問題は、仲の悪い米ソにも姉妹都市があるという意外性がミソなのです。それに、ないことを調べるのはとてもたいへんなのです。1ヵ所でもあれば○にできますが、「ない」にしておいたのに誰も知らないような小都市同士が姉妹都市になっている可能性だってあり、出題後にそこを突かれたら、弁解のしようがありませんから。よってこの問題はクイズだから○。実際に6ヵ所あるそうです。

「昭和9年、渋谷にある忠犬ハチ公の銅像の除幕式に、ハチ公自身も参列していた」

 もし×なら、わざわざ問題にする必要がありますか。それをテレビで全国に向けて放送する必要がありますか。普通銅像は死んでから作られるもの。その除幕式に本人(本犬)が出席している意外性がミソ。特に後楽園は何千人もの挑戦者があり、しかもテレビの視聴者を含めると、何千万人もの人が注目している場です。当たり前のものを堂々と出題して「そんなわけないだろ、ハチ公は死んでしまってるんだぜ」ではみんなが納得しません。したがって、クイズだから○。ただし、ドロンコクイズなどの1人でするものには、人を食った印象を強めるために「そんなことあるわけないだろ」の場合も多い。

「観音様は女である」

 一般的に観音様は男か女と聞かれれば、女と答える人の方が圧倒的に多いでしょう。観音様とは、女性の代名詞にもなっているくらいです。そんな当たり前のことをなぜ聞いてきたのでしょうか。これは、クイズだから×。男女を超越した存在だそうです。

「トランプのハートは心臓を表している」

 まごころを売り物にする、銀行のシンボルマークにもなっているハートマーク。そんな当然のことをクイズにして聞いてくるのなら、クイズだから×。聖杯を表している。

「お稲荷さんにはキツネがまつられている」

 もうわかりますね、クイズだから×。五穀をつかさどる神様がまつられています。

 しかし、この法則のウラをかいた問題もあり、

「シロクマはアザラシを襲うとき、黒い鼻を手で隠して近づく」

 こんなバカなことあるわけないから、クイズなら○だけど、×でした。

シロクマ

「小笠原流ではお見合いの席で、面と向かってことわってもいい」

 こんな非常識なことあるわけないのに、わざわさわクイズにしたから○。だけど×でした。結局○×クイズは、スタッフとの知恵比べなのです。

クイズ王にくっついて走らない

 グラウンドに降りてからは、考える時間は最初は45秒、それから30秒。その後人数が減るにつれだんだん時間が減っていきますが、考えて、ボールを拾って、○×サークルへ駆け込む時間は充分にあります。

 ところで、過去のクイズ王や出場者についてまわる人が必ずいますが、まず合格しません。いままで過去のクイズ王で、再び後楽園を通過した人がどれだけいますか。二度三度と後楽園を通過している人がどれだけいますか。回を重ねれば重ねるだけ、新しい人が出てきているではありませんか。クイズ王としてもあれは迷惑。ついてきたならまとめて落としてあげるね。

 集団心理で、だれかが走りだせば、それにつられて一斉に走りだす傾向がありますが、あくまで自分で考えて、自分で走りましょう。

 

 

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