アメリカ横断ウルトラクイズ
クイズ王の本

歴代クイズ王が語るウルトラクイズ必勝法
「知力・体力・時の運」次のクイズ王はあなた!かも、しれない?

クイズ王の会/篇
©北川宣浩・森田敬和 1987
モニュメントバレー

幻の、ウルトラクイズ殺人事件

 第六回のサイパンでは早い者勝ち空席待ちクイズが行われた。海辺で推理小説を読んで、犯人を早く当てた者から前の席につける趣向だった。

 その推理小説は「ウルトラクイズ殺人事件」。角川文庫にもカッパノベルスにも収録してない、日本テレビ出版局すら発行しなかった、いまや幻の名作である。新書判約150ページのタイプ印刷。表紙は自由の女神がたいまつの代わりにナイフをもっているイラストで、カラー写真をそのままカバーにしている簡易版だ。

ウルトラクイズ殺人事件

ストーリー

 テレビ会社の広報マン白井博は、彼が宣伝を担当する人気クイズ番組「ウルトラクイズ」の視聴率が5%低下したために、社長代理から大目玉をくらった。そのうえ、またまた椿事が持ち上がった。4000万円という空前の賞金を目前にした番組出場者成田拳氏が、忽然と姿を消してしまったのだ。

 必死の捜査も虚しく、翌朝、彼は刺殺体となって発見される。そしてさらなる犠牲者が……。テレビ界の内幕を痛烈に風刺した「ウルトラクイズ殺人事件」一体、犯人は誰か? 

 12人の登場人物は大部分スタッフの名前で、犯人を捜査するのは殺人課警部の徳光和夫。文学的な表現も多く、なかなかのものである。しかしこの企画が決まったのは、サイパンで実施の2週間前で、執筆を依頼された放送作家は、こんなスケジュールでは自分が殺されると思ったそうだ。

 よく読むとあわてて作ったのがよくわかり、誤植も多くて、登場人物の名前が北川とか宗田とかになっている部分もある。ということはヤバイ人物の名前を、最初はクイズ王の名にするつもりだったんだなー。

(犯人は成田の妻)

 

 

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