名人が教える150のノウハウ
■早押しは慎重かつ大胆に
目で見るクイズも含めたリハーサルがあり、ボタンの押し具合、ゴンドラの上下の具合などもテストしたのち、本番になります。
クイズの内容は、西郷輝彦さんの司会になってから多少ミーハー寄りになりましたが、それでも正統派。特に時事問題が多いのは有名で、出場前から新聞・雑誌などを充分に調べておきましょう。季節や時候にちなんだ問題もよく出ます。これらの問題はボタンの勝負になりがちです。
この番組は1問でも間違えるとたちまちダウンして0点になってしまう非情のルールがあります。2度間違えると「お出」になり、スルー(誰も答えないこと)問題か、他の人が間違えた問題に場外で答えない限り、「お戻り」できません。だから解答は他の早押しクイズよりも慎重になってしまいがちです。ところが番組を見ていると、佐々木さんがちょっと読みあげたら全員があっという間にボタンを押すスピード感。ときにはスタッフが「押さえて押さえて」とジェスチャーで指示するほどです。最初のうちはまだいいですが、そのうち問題が複雑になってきて思わぬ方向に変化し「読み」を間違える人もしばしばいます。例えばこういう問題が出たとします。
「大相撲の太った力士のことをアンコ型……」
ここでボタンを押してしまい、アンコ型に対する痩せた力士のソップ型と答えるとブー。問題はこのあと「アンコ型といいますが、このアンコとは何のことでしょう」(答え、さかなのアンコウ)のような、ミスリードさせる問題構成になっているものが必ず含まれています。特にCM後に間違えると、改めて10問答えるのはかなりきついので、ボタン押しは「このアンコとは」などの、問題のポイントを聞いてからにしましょう。
しかし、あまりに慎重になっていると、まわりに圧倒されてしまいます。自分の得意とする分野からの出題には、思いきって早押しする大胆さも必要です。ボーッとしていたらみんな人に取られてしまいますから、気合を入れて、慎重かつ大胆に臨みましょう。
番組中程に、一つの売り物であるシルエットクイズがあります。このゲストになる人はタレントを主体に、スポーツ選手、作家、時には政治家まで出る多彩さ。第1ヒントで当てるとゴンドラは一気に3段階、第2ヒントでも2段階上がりますので、得点を稼ぐために予想を立てていきましょう。
以前は、新聞のテレビ欄にゲストのヒントが載っており、しかも録画当日に発売されるテレビ番組紹介雑誌にもそのまま掲載されていたので、これを読んでから臨めばまずOKだったのですが、ぼくが前著「TVクイズ大研究」にこの必殺の方法を書いて以来、さすがに掲載されなくなりました。その他、アイドルタレントなら「明星」「平凡」などのスケジュール欄に、「○月○日アップダウンクイズ出演」と載ったこともありましたが、最近は見かけません。
ではここ7年間の、アップダウンクイズシルエットゲストの一覧をお目にかけます。ぼくが最初に出場した78年2月からのもの。一生懸命メモしてた人がいるのだ。