TVクイズ大研究

TVのクイズ番組を裸にした本!
数々の番組で優勝を続ける筆者が、自らの経験と頭脳からあみ出した、本当は公開したくない、
TVクイズ攻略のまる秘カリキュラム一挙公開!

©北川宣浩 1981
予選会

第3章 予選通知がやってきた!


予選はこんな方法で

 予選はおおむねアンケートと筆記試験、面接が行なわれる。どんな人かもわからない人たちを、TVに出したのでは、お葬式の中継みたいな、シーンとしらけた番組になったり、せっかく作った問題に、不正解ばかり出てしまうかもしれない。あるいはアップダウンクイズで全員が二問不正解の"お出"になったら困る。番組中で突然アジ演説でも始められたら放送中止になってしまう。そんなふうになるとたいへん。

 すなわち予選とは、その番組にふさわしい、視聴者に喜んでもらえる人を選ぶのが目的なのだ。誰もが点の低い低調なものや、圧倒的に一人が答えまくる試合はこびはあまりおもしろくない。そのかわり、どの問題にも誰かしらが答え、抜きつ抜かれつの白熱戦になったらこんなにおもしろいものはない。また、イイ男やカワイ子ちゃんが出ると、茶の間ではつい応援したくなるものだ。このように、楽しくTVが見られるように、人を選ぶのが予選だ。なにしろ、クイズ番組の主役は、出場者なのだから。

 さて、あなたのハガキが見事拾われたら、予選通知ハガキが来る(P53参照)。だいたい予選日の1〜3週間前である。一部の番組では電話でお知らせがある。また、始まったばかりで、予選会を開くほどの応募がない番組なら、電話で局に呼ばれて、予選もなしで即本番と、スピード出場できることもある。

 予選日まで、いくらか日数があるはずだから、それなりの準備をしておこう。番組をいつもより熱心に見る。他のクイズも見る。新聞・雑誌を読む。クイズの本を開く。面接では何を話そうかと考えておく……

 予選日は、土曜日曜祝日のような、休日が多いので、たいていの人は参加できるはず。

 当日は時間に遅れないように行くのは当たり前だ。大学入試だと前日に試験会場の下見をするのがよいが、それほど大げさなものではないので、その必要はない。でも、余裕を持って出かければ、心のゆとりも生まれるというものだ。予選通知ハガキは通行手形を兼ねているからもちろんのこと、筆記用具(ボールペンでよい)も持っていこう。

予選会

 予選会場はTV局の会議室やリハーサル室、あるいは近くの建物だったりする。開始時間を待っている人を見ると、クイズの本を読んで直前まで勉強している人、新聞・雑誌をなにくわぬ顔で読んでいながら、内心この記事が問題に出ないかとハラハラしている人、つきそいの友人と雑談する人など、さまざま。いずれ敵になるとはいえ、同じ趣味の持主なのだから、気楽にまわりの人に声をかけてみると緊張がほぐれるし、楽しいものだ。クイズの話になると、誰も示し合わせたように
「私なんてダメです」となるのがおかしい。

 「では、そろそろ始めますか」
係の声にざわついていた場内はシンと静まり返る。最初に番組のルールや、予選方法の説明があるのでよく聞いておこう。
「大学入試や就職試験とは違いますから気楽に……」
とは言われてもなかなかムリな話。冗談を言って笑わせてくれる局もあれば、番組はなごやかな雰囲気なのに、予選の説明をするスタッフはシビアな局もある。つくづくTVは裏表がおもしろいと思う。

 予選は30〜百人が一度に受けるが、要は自分が出場者としてスタッフに認められればいいのだから、何人いても気にしない。マイペースで臨もうではないか。欠席者が多ければ、つきそいの人にも受けさせてくれることもある。ずうずうしい人になると、
「席が空いてるなら受けさせて」
と、スタッフに頼む人もいる。何度ハガキを出しても拾われない人は、直接予選会へ行くのも一つの手かもしれない。

 では、実際にアンケート用紙に書き込んでみましょうか。

 

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