TVのクイズ番組を裸にした本!
数々の番組で優勝を続ける筆者が、自らの経験と頭脳からあみ出した、本当は公開したくない、
TVクイズ攻略のまる秘カリキュラム一挙公開!
ぼくらに夢を与えてくれる魔法の箱、テレビ。
この中に飛び込んで、夢を現実にする時がやってきた。
ヘリコプターは、大きな音と共に宙に舞いあがった。巨大な鉄のかたまりであるその都市は、みるみるうちに背中を見せていく。巨大なつり橋が、船が、ドス黒いハイウェイが、そして天につきささっていた超高層ビル群が、ぼくの眼下に広がっていった。摩天楼が、ぼくにつきささるほど空高く舞いあがった時、喜びとも感激ともつかない思いがこみあげてきた。
−−−3週間前、ぼくはヘドロの中にいた。見習い現場監督として、都内のある建設現場で働いていたのだ。
朝8時から夜8時まで、月休2日制で、しかも月10万円に満たない給料。現場は杭工事のため、ヘドロでぬかるんでいた。やりたくもない仕事だった。
1978年9月2日土曜日、第2回アメリカ横断ウルトラクイズ、後楽園での国内第一次予選を通過。少なくとも成田へは行けることになった。退社を決意する。九月九日土曜日、退職願が受理される。ヘルメットや作業着などの大きな荷物をかかえ、現場事務所から去った。まだ行けるかどうかもわからないアメリカにすべてを賭けて。−−−その夜成田空港着。
翌9月10日早朝、国内第二次予選のジャンケン。勝った時は本当にうれしかった。これに負けては元も子もなかったのだから。
機内500問のペーパーテスト一位通過をふり出しに、ほとんどの土地をトップで通過。そして今、ニューヨークの空を飛んでいる!
緑色の自由の女神をまわり、国連本部を見て、ツインタワーを横切り、エンパイアステートビルを通って決戦地のパンナムビル屋上へ。そして優勝。
第一回ウルトラクイズを見てウルトラクイズに惚れこみ、自分の過去と訣別して参加。それに優勝できて、こんなにうれしいことはなかった。
クイズといえばすぐ賞金・賞品が頭に浮かぶだろうが、決してそんなものではない。クイズの楽しみは、チャレンジすることだ。どんな問題が出るのか、あれこれ勉強することだ。答えがズバリ当たったあの瞬間だ。そして新しい知識や新しい友人をふやしていくことだ。
さあ、皆さんもTVクイズにチャレンジして、新しい世界を広げてみませんか。