中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
大名栗林道を走破(埼玉県飯能市) 2009/04/04
2009.04.04 Saturday
大名栗林道再び


今日は私のバイク人生を賭けたといっても過言でない日になるはずである。

思い起こせば2年前、「北海道の林道をバイクで走りたい」との妄言から普通自動二輪免許を取得。練習と称し、買ったばかりのオフロードバイク<セロー250>で埼玉県の未舗装路である大名栗林道に行ったところ、ゴロゴロした岩に足元をすくわれ、すぐにコケてまったく手が出なく、半ベソになってすぐに戻った曰くつきの林道に再挑戦するのである。

2007年8月の大名栗林道の記事>>>

その年の暮れに頭にきてセローを売り払ってしまった

翌2008年7月、レンタルバイクで行った北海道のヌプントムラウシ林道をビッグスクーターの<マジェスティ>で走破でき、目的は達成できたが、本家本元とも言うべき大名栗林道を走破してこそ、「バイクに乗れない」というトラウマが克服できたと言うべきであろう。

2008年7月のヌプントムラウシ温泉の記事>>>

しかしもし再び転んだら、昨年7月に買ったばかりのマジェスティにも傷が付き、これは心の傷をさらに深くする。
けれども2月にスタンドが不十分でブックオフの斜面の駐輪場で勝手に倒れてしまい、左側がひどく傷ついた。もはやカウルの交換しか救う道はないとなったので、もし林道で転んでもどうせ交換するのだから負担は少ないとの判断から、今日の良き日に大名栗林道に再挑戦することにしたのである。

朝7時50分に世田谷の自宅を出発。青梅経由で成木街道を走り、大名栗林道(おおなぐり・りんどう)の入り口である旅館大松閣(たいしょうかく)についたのは9時55分。

大松閣入口

ちょうどチェックアウトが終わった時間で、門前には仲居さんがいた。

大松閣

この先が大名栗林道で、入口にはゲートが半分作られており安易には入れないようになっており、滑り止め(チェーンなど)がないクルマは入っちゃダメとの看板が立っている。
先に待機していたおっさんのオフロードバイクが進入して行った。

大名栗林道入口

意を決してこちらもゲートを入る。時は10時ちょうど。これから21kmほどの林道を走るので、およそ1時間かかるか。

登山者が歩いている脇を過ぎると、2年前にエンストを起こして倒れてしまった難所に早くも差し掛かった。これまで何度も悪夢のように反芻したが、いきなりの急坂にセカンドギアでもたもた入ったのと、ニーグリップをしっかりしないで、ゴロゴロの岩の震動でステップから足を離してしまい、ますますバランスを欠いたのが2年前の転倒の原因だと思っている。

マジェスティにも激しい震動が来たがステップに足を踏ん張ってこらえて、なんとか最初の岩場は通過。すぐに次の岩場になったがアクセルを一定に吹かして登り切った。バタ足をしたら左足のふくらはぎが攣った。

スクーターがためギアチェンジの必要がなく、アクセルの調整でパワーが伝えられるので、オフロードバイクよりも登っていきやすい。怖さからかなりの低速になったとしてもエンストすることもない。

こうして赤ん坊の頭大から大人のこぶし大くらいの石が散乱する部分を走りぬけ、ありがちな砂利道になった。大名栗林道は最初のアプローチが難所だったのである。

その後はヌプントムラウシ林道並の適度な石の道となり、時には走りやすい地面だけの道となり、走りやすいコースを選びながら、時速15km/hくらいの低速で上り下りをくり返して進んで行った。後ろから来たバイクに何台も抜かれた。一方、サイクリストも何人もこの林道に挑戦していた。

大名栗林道

本来ならば適宜止まりながら写真を撮って楽しみたいしブログでも紹介したいのだが、そんなゆとりはまったくなし。止まると次に走り出すのが億劫なため、すごい岩場もひたすら走った。ようやく半分走ったところのスペースにいったん止めて撮影したのがこの写真である。




再び走りだすと2頭の鹿が眼前を走りぬけたのにびっくりした。角はないが野生の鹿を関東で見られるとは思っていなかった。ということは熊もいるかもしれない。

尾根伝いに上り下りを繰り返すのだが、後半さすがに疲れてきて下りの岩場に足を取られてバランスを崩し、ついに止まってしまい右側に転倒
路上の岩による激しい揺れは、尻が浮くほどのロデオ状態であった。
をいをい、転ぶならすでに傷ついている左に倒れるべきだろう。
今度は右足のふくらはぎを攣った。情けなや。

これは失敗したと思ったが、傷を確認するいとまもなく重いスクーターを起こして再び走りだす。
呼吸が荒くなったのでヘルメットのシールドが曇る。峠の上の方は寒いと思ってウィンドブレーカーを着込んだのだが、暑くてをかいてきた。しかし脱ぐ余裕もない。

もう二度と好んで未舗装路を走るなんてバカなことは辞めようと思いながら走る。

ようやく出口になった。1時間10分くらいかかってしまった。平均時速は20km/hを下回っているだろう。ビデオでずっと動画を撮影していたが(揺れが激しく見られたものではない)、2GBのSDカードは1時間ちょっとしか撮影できず、ゴールは映せなかった。

大名栗林道

1回転んだものの、ゴロゴロの岩だらけの(1か所は四輪では通り抜けられないほどの)大名栗林道を走りぬけることができた。2年来のトラウマもこれで克服できたというべきだろう。
マジェスティの右側に微妙に疵がついている。これはカウルを取り換えるほどでもないし、どうしよう。
底を何度も岩に擦ったので、バイク屋でよく点検してもらうことにしよう。
これから有間峠を越えて秩父に抜けよう。天気はときおり日がさすが、あまりいいとは言えない。早めに帰るとするか。



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