TVクイズまる金必勝マニュアル

名人が教える150のノウハウ

©北川宣浩 1985
はてなマーク

面接は明るく楽しく


 面接をするのは担当プロデューサーやディレクター、放送作家などです。とっつきにくいクライしぐさ、髪はボサボサ、脂ぎった顔のメガネの奥の鋭い目、季節のわりには厚手のセーター、下は色あせたジーンズ……面接官はこれらいずれかに必ず該当しています。

 知識クイズとヤマカンクイズでは面接の趣旨が違います。まず知識クイズの面接は補足的なものです。あくまでクイズのできる人を主体として選んでいるからです。それでも明るさは必要です。陰鬱な人だったらそれを見ているお茶の間の人だって鬱陶しくなります。それに、声が小さかったり、返事がはっきりしない人もいけません。答えても何を言っているのかわからないような人じゃ、番組が盛り上がらないでしょう。「明るく楽しくハキハキと」。これはどこの世界にも共通している選ばれる要因です。
 次にヤマカンクイズは出場者のキャラクターを重視しますので、クイズにできることよりも、どう答えるか、どう間違えるかのタレント性がポイントになります。たいてい「自己紹介してください」と言われますから、予選の前に何をどう言うか、練習してから臨むことです。その話題は自慢話よりは失敗談、趣味はゴルフやテニスと言ったありふれたことよりも、手相占いをするとか、日曜のたびにインスタントラーメンを作るといったような、おもしろいほうがいいに決まってます。隠し芸などは実演を求められます。番組で司会者が出場者の紹介をするときに、話題としてうまく利用できることがらを言ったりしたりするのがテクニックです。但し、やりすぎはかえってマイナスです。また、無芸でも悲観するには及びません。大きな声でゆっくりと、時にはジェスチャーも交えて話せばいいのです。

 ひととおり自己紹介が終わると、スタッフがプロフィール表に書いてある内容をもとに質問をします。この質問にハイ・イイエで答えるのはコンピュータの2進法。単純に答えるのではなく、答えをふくらませて楽しく表現します。なにしろ、番組中に司会者から簡単なインタビューがあるでしょう。これに「えー」とか「まー」とか言ってるだけじゃ、まだるっこい。相手の意を汲んで、上手に表現できるキャラクターを求めているのです。

 また、自分をよく見せようという気取りはダメ。バカさをさらけだして、ピエロになるくらいのサービス精神が欲しいものです。要するに、テレビを見ていると楽しい人っていますよね。あなたがその人になればいいのです。

 それからペアでするクイズの場合、男同士のペアはいけませんナ。女同士か男女のカップルで参加しないと絵になりません。カップルだったら「サークルの友達でーす」なんてのより、「親も認める恋人同士」のようなカゲキなほうがウケます。テレビってタレントが食事をしていただけで「スワ、婚約!」ってなるメディアでしょ。うまく乗せてあげましょう。

 

 

公共の宿

TOP