TVクイズまる金必勝マニュアル

名人が教える150のノウハウ

©北川宣浩 1985
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ハガキの大抽選会


 百枚程度の年賀状の整理にも手を焼くのに、何十万枚ものハガキが来る抽選クイズではどうやってハガキの整理や抽選をするのでしょうか。大きな箱にハガキをバラけて、目隠しして選ぶって? プールほどの箱が必要になりますよ。

 まず、都道府県別にハガキを分類してそれぞれ枚数を数えます。メーカーによっては地方営業所の管轄ごとに分類するときもあります。次に当選数をそれぞれの地区の応募数に応じた比率で配分し、地区ごとに抽選する方法が一般に行われています。何万枚ものハガキを一度に抽選するのはまず不可能ですので、このように地区ごとに小さく区分けして、統計的な数字に基づいて抽選するのです。

 例えばあるメーカーで、応募総数90736通、当選者数3000人の抽選クイズがあったとします。札幌支社管轄の応募数が2301通ならこの地区の当選者数は、
     3000人×(2301通÷90736通)の76.08人となります。
端数は他地区と調整します。
 しかし、海外旅行ご招待のような人気を呼ぶ抽選クイズなら、応募が何十万枚にもなり、地区ごとに分類しても相当な数になりますので、もっと細かく区分しなければとても抽選できません。

 そこで例えば40人を海外旅行に招待する抽選クイズに、三十万通の応募があったとしましょう。まずハガキを五千枚くらいずつに分けてミカン箱大の箱に入れ、それぞれの箱に番号をつけます。この場合には1から60の番号がついた箱が抽選会場に並びます。次に箱と同じだけの番号をふったカードを用意して、そのカードを目隠ししていくつか選びます。例えば10枚のカードを選んだとしましょう。このカードと同じ番号の箱のハガキだけを抽選の対象とするのです。この場合は全部で10の箱を選んだわけで、一つの箱から4通ずつ選ぶと、計40人の海外旅行当選者が決まりました。
 このように非常に多数の応募がある場合は、2段階に分けて抽選する方法がとられます。選ばれなかった箱に入れられてしまったハガキはかわいそうですが、よくよく考えると公平な抽選方法であることがおわかりになるハズ。

 大がかりな抽選会には、会場を埋めたハガキの他に、抽選クイズを実施したメーカーの幹部や広告担当者、警官や消費者代表の奥様方が立合人としてズラリと並び、なかなか壮観です。なお、抽選作業を実際に行うのはメーカーの社員ではなく、キャンペーンを請け負った広告代理店やDM業者、発送業者がするのが普通です。応募する側だけでなく、抽選する側にもノウハウが必要なのです。

 

 

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