TVクイズまる金必勝マニュアル

名人が教える150のノウハウ

©北川宣浩 1985
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6.スーパークイズマニア大集合


 クイズを始めた頃、ぼくにとってクイズマニアの方々は憧れのスターでした。難しい問題に次々に答え、どの番組にも優勝。ぼくもこうなりたい、一度あの人に逢ってクイズ必勝のコツを聞きたいと、いつも思っていました。
 でも、いざ逢ってみると要するに普通の人なのですが、みんなどこかユニーク。不思議な才能の持ち主ばかりです。

 板橋区の大木一美さんはクイズ界の影の人事部長ともいうべき人で、クイズマニアの人脈に通じ、誰がどの番組で勝った、今度AとBが対戦するが、まずAの勝ちだなどと、実に人事をつかんでいました。過去のクイズ番組のビデオを多数持っており、自宅に若い連中が自然と集まるので、クイズ塾みたいな感じでした。紹介が過去形なのは、彼はいろいろ考えるところがあり、パタッとクイズから足を洗ってしまったからです。でもクイズのビデオはいまだに録っているようです。

 松本市の水津康夫さんはたいへん博学な人で、普通のクイズマニアは、ともすれば表面的な事象だけにこだわってしまいがちなのに、水津さんは物事の奥まで実によくご存じの方です。知識量ではおそらく日本一のクイズマニアではないでしょうか。

 横浜市の道蔦岳史君は今一番有名なクイズマニアです。クイズをやっている印象がどこか初期のぼくに似ていたのですが、会ってから話を聞くと、彼も知らない人から「北川さん!」と声を掛けられたことがあるとか。互いに迷惑な話です。彼の強いのは日本一戦などの大きな戦いにすべて勝っているところ。そういう人は過去にも、まず、いません。でも自分について書かれた週刊誌の記事を読んで、「(事実関係が違うから)オレのイメージが狂う」とすっかりタレント並の発言をしました。あれほどホンネとタテマエの違う男も珍しいと、仲間内ではささやかれています。

 東京都港区の森田敬和君はひょうきんな人柄から付き合いが広く、よってクイズ界のさまざまな情報に通じています。一時は頭の中にクイズしかなく、寝ても覚めてもクイズの人でした。一度負けた番組でも、どういうわけか敗者復活戦に呼ばれてポロッと勝ってしまう強運の持ち主で、クルマを潰すほどの交通事故を起こしても無傷というラッキーボーイ。

森田と道蔦

 練馬区の森田俊明さんはテレビではクライ雰囲気ですが、明るいとか暗いとかで判断できないユニークなお人柄の方です。漢字や古いいいまわしについては学者並の人ですが、旅行がキライで、せっかく優勝してもどこにも行きません。パネルクイズアタック25の400回記念大会でグランドチャンピオンになりましたが、フィルムクイズのベルサイユ宮殿が答えられないで「すみません、旅行に行かないもんで、わかりません」と言い訳しました。

 

 

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