TVクイズ大研究

TVのクイズ番組を裸にした本!
数々の番組で優勝を続ける筆者が、自らの経験と頭脳からあみ出した、本当は公開したくない、
TVクイズ攻略のまる秘カリキュラム一挙公開!

©北川宣浩 1981
クイズの本

第4章:クイズの勉強法


番組の見方を変えよう


1、とにかく見てみよう

 見てもない番組に出るなんてもってのほかだ。局に対して失礼だし、第一、ルールも勝手もわからない。新番組や特別番組ならともかく、極力毎回見るべきだ。
クイズに出る出ないなんて勝手だし、最初から出るつもりで見る人はいまい。なんとはなしに見ていて、そのうちおもしろくなり「よし、オレも……」となるのであろう。
だから最初のうちは、力を入れて見なくてもいい。ごろ寝しながら、食事をしながら、なんとなく見て、その番組に興味を持つことだ。

2、熱心に見よう

 次に動機はいろいろあるだろうが、出場しようと決めたら、ハガキを一枚でいいから出そう。そして今度は、番組を熱心に見るようにしよう。
まず、よく見ることによって、番組をより深く知り、親しみを持つようになる。親しみを持つのと持たないのとでは、スタジオへ入った際、友人の家へ遊びに行くのと、はじめて会った取引先の役員の家へ行くくらいの違いがある。毎回欠かさず見て(どうしても見られない場合は録音・録画しておく)、その番組のファンになろう。

クイズ番組を見る

3、ルールを覚えよう

 そしてルールを覚えよう。どの番組も単純に問題に答えるだけでなく、どこかひとひねりしてある。アタックチャンス、ラッキークイズ、チャンスカード、ドンマーク……これらの言葉は、各番組で用いているルール上の言葉だが、「なんですか、それ」と言ってるようでは、出ても優勝はおぼつかない。
出場前の打合せのときに、スタッフが詳しくルールを説明してくれるが、これを聞いてはじめて「なるほど、そうなっていたのか」なんて感心するようではダメ。他人にも説明できるほど、ルール(進行手順)をよく覚えておくことだ。

4、傾向をつかもう

 そうして熱心に見ていると、クイズ問題の傾向や、司会者、出題ナレーターのクセなどがわかってくる。問題傾向とは、たとえば、時事問題が多い。逆に少ない。野球の問題が多い。バスケットやアメフト、ボートレースなどのや一般的でないスポーツの問題もよく出る。第○問は必ず音楽の問題だ。ヤマカンで答えるような問題が多い。問題文が長いなど、いろいろある。司会者、ナレーターのクセ(実際はディレクターなどの指示によるものも多いのだろうが)とは、判定が甘い。逆に厳しい。女性には甘い。長々と余計なおしゃべりをする=出題数が減る。「……ですが」「では」など、問題のポイントになると語調がかわるなどなど、である。そのほか、出場者に美人が多い。逆に少ない。年配者が多い。逆に少ない。たんたんとした雰囲気。アットホームな雰囲気。進行がうまい。逆にヘタ。ワンパターン。演出臭が強い。アシスタントガールがかわいい。アシスタントガールの頭が悪そう……など、クイズと直接関係のないモロモロのことまでもがわかってくる。むしろ本にするなら、こっちの方をあれこれ書いてほうがオモシロイ気がする……。

  問題傾向などがわかってくると、しめたもので、事前にマトを絞った下調べができるようになる。
また、問題文の長短などがわかってくれば、ボタン押しのタイミングなどがつかめてくる。ブラウン管の裏側まで見えるくらいに、じっくり見よう。

5、ボタン押しの練習をしよう

 忘れてはならないのが、TVと一緒に問題をやってみることである。答えを口に出しながら見ている人は多いし、それがクイズ番組の楽しみでもあるのだが、出る以上は真剣になって、TVと共にボタンを押してクイズをするべきだ。バカバカしいかもしれないが、マニアはみんなやっている。詳しくはP125の「早押しクイズの対抗法」に書いたが、ボタンに見立てた机なり、膝なりを、答えがわかった時点でポンと叩く。実戦ではボタンを押して解答権を得ないと答えられないのですよ。

6、スコアをつけよう

 机を叩いてボタン押しの練習をするのもいいけれど、何問できて、何問間違えたかわからないと、実戦に即した練習をしたことにはならない。クイズに出場すれば、単にできたできないではなく、何点とれたかが重要になる。そこで、机ボタンを叩きつつ「どの問題に答え」「どの問題に間違え」「どの問題をTVに先取りされ」「どの問題を答えられなかったか」などをノートに克明にメモしよう。ぼくのスコアの付け方はP129に示したとおり。

スコア

スコアをつける利点は、たとえば、アップダウンクイズは1問間違えるとフリダシに戻る。スコアをつけながら見ると、間違わずに10問答えるのがいかに難しいかわかる。6問くらい答えたら、おのずとむやみやたらにボタンを押さないほうがいいとわかるし、はじめの1〜11問目は普通の問題、12〜14問目は音楽……と、全体の問題構成もわかるので、力の配分もつかめてくる。
クイズグランプリはジャンル別の得意不得意がはっきりするし、10点の問題をたくさん答えても、さして点がふえないと身を持って知らされるだろう。

 TVの見方しだいで、いくらでもクイズに強くなれる。クイズ問題集で問題演習をする机上の演習だけでなく、実際の番組を見て実戦に即した練習をしよう。また、TVを見ること自体、最良の問題演習にもなっているのだ。毎回何十問も出される問題に接するのだから……。

 

 

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