十九世紀イギリス案内
たばこの種類
タバコは有害であり、近年は多くの場所が禁煙となって過ごしやすい環境になってきました。しかしホームズの時代はたばこはごく一般的で、ホームズはタバコの燃え殻から銘柄を当てたり、吸った人を推理したりしていました。現在の日本ではあまりなじみのない煙草もあり、一覧表にまとめました。
| 英語名 | 日本語名 | 概要 |
|---|---|---|
| Cigarette | 紙巻きたばこ | 現在の日本で普及しているたばこ。紙で刻みたばこを巻いた形式。19世紀半ばにトルコやエジプト経由でイギリスに広まり、20世紀初頭には主流となった。上流階級の嗜好品として人気。 |
| Cigar | 葉巻たばこ | 乾燥葉を巻いた円筒状の煙草。キューバ産などが高級品とされ、紳士クラブ等で嗜まれた。 |
| Pipe Tobacco | パイプたばこ | 刻み葉をパイプで吸う伝統的形式。葉のブレンドやカット(フレーク等)で香味の差が大きい。 |
| Snuff | 嗅ぎたばこ(スナッフ) | 粉末状のタバコ葉を鼻から吸入する嗜好品。18~19世紀の上流階級で流行、装飾的なスナッフボックスも普及。スナッフボックスをモチーフにした、ディズクン・カーの推理小説「皇帝の嗅ぎ煙草入れ」は秀逸なトリックで評判になった。 |
| Chewing Tobacco | 噛みたばこ | 葉を口に含んで噛む。唾を吐き出す必要があり屋内では敬遠されがち。労働者や船員らに実用的に用いられた。 |
| Plug Tobacco | プラグたばこ | 圧縮した固形状のタバコ葉の塊。ナイフで削ってパイプに詰めたり噛んだりする。保存性が高く、船乗りなどに好まれた。 |
| Roll-your-own Tobacco | 手巻きたばこ | 刻みたばこを巻紙で自作する形式。工場製の紙巻きが高価・未普及な時期の一般的手法。 |
| Cheroot | チュルート(両切り小葉巻) | 両端が開いた小型葉巻。英領インド・ビルマ系として流通し、軍人や商人に親しまれた。 |
| Cigarillo | シガリロ(細葉巻) | 細身の葉巻で、葉巻と紙巻きの中間的ポジション。軽快に吸えるため女性や若者を含めて幅広い層に受け入れられた。 |
| Hookah / Shisha | 水パイプたばこ(シーシャ) | フレーバー(果物・ミントなど)を混ぜたタバコ葉を炭の熱で加熱し、煙を水で冷やして吸う。中東発祥で、イギリスでも19世紀には「トルコ風嗜好品」として知られていた。 ホームズの時代のロンドンでも、オリエンタル趣味のカフェやクラブで嗜まれることがあった。 |
| Snus | スヌース(湿式嗅ぎたばこ) | 北欧発の湿った嗅ぎたばこ。英国では少数派だが一部で使用例あり(19世紀)。 |