十九世紀イギリス案内
馬車の種類
日本で馬は移動のための乗馬や荷物を運ぶための荷馬車、農耕馬などはありましたが、人を運ぶ馬車はあまり発達しませんでした。現在は観光用と、外国大使が親任式で皇居を訪れる時の行事で使われるくらいです。
ホームズの物語で自動車が登場するのは後期になってからで、もっぱら馬車が街中の移動手段でした。それもさまざまな種類があり、一覧表にまとめました。
| 英語名 | 日本語訳 | 概要説明 |
|---|---|---|
| Stagecoach | ステージコーチ(駅馬車) | 定期運行の長距離旅客・郵便兼用の大型四輪馬車。途中の停車地(stage)で馬を替えながら走る。(→ 画像を見る) |
| Mail Coach | メイルコーチ(郵便馬車) | 郵便輸送を主目的とする高速長距離馬車。夜間走行も多く、限られた座席で旅客も乗せた。(→ 画像を見る) |
| Hackney Carriage | ハックニーキャリッジ(貸馬車) | 都市部の営業用馬車の総称。通りで客を拾い目的地まで運ぶ、タクシーの前身。(→ 画像を見る) |
| Hansom Cab | ハンサムキャブ/辻馬車 | 二輪・一頭立ての軽快な貸馬車。御者席は後方上部、乗客2名程度で市内の素早い移動に最適。(→ 画像を見る) |
| Brougham | ブルーム(ブローガム)/四輪馬車 | 小型密閉式の四輪馬車。上流・富裕層の町用として普及し、実用性と品の良さで人気。(→ 画像を見る) |
| Victoria | ヴィクトリア | 屋根なし(または折り畳み小屋根)で前方に御者席、後部2人掛けの優雅な四輪馬車。社交・散策用。(→ 画像を見る) |
| Landau | ランダウ/四輪馬車 | 前後の屋根が折り畳める四輪馬車。式典・パレードなどでも用いられる華やかなタイプ。(→ 画像を見る) |
| Barouche | バルーシュ | 向かい合わせの座席を持つ四輪開放馬車。社交的な外出や晴れの日のドライブに用いられた。(→ 画像を見る) |
| Phaeton | フェートン | 軽快なスポーツ型の開放馬車(二~四輪)。スピードと見栄えを重視し若い紳士淑女に人気。(→ 画像を見る) |
| Cabriolet | カブリオレ | 軽量二輪・一頭立てで幌の開閉が可能。短距離移動向きの個人用、軽快な乗り味が特徴。(→ 画像を見る) |
| Gig | ギグ | 二輪の軽馬車。医師や牧師の往診・巡回など日常の短距離移動に広く使われた。(→ 画像を見る) |
| Dog Cart | ドッグカート/二輪馬車 | 犬(猟犬)を載せる収納部を備える二輪馬車。のちに一般的な軽馬車としても利用。(→ 画像を見る) |
| Coach | コーチ | 家族旅行向けの大型四輪馬車。荷物を多く積め、使用人が同乗することも多かった。(→ 画像を見る) |
| Omnibus | オムニバス(乗合馬車) | 都市の公共交通として発展した多人数乗りの四輪馬車。後のバスの語源。(→ 画像を見る) |
| Curricle | カリクル | 二頭立ての華やかな二輪馬車。操作が難しいが速度が出せ、若い貴族のステータス象徴。(→ 画像を見る) |
| Chariot | チャリオット | 19世紀では儀礼・行列用の華やかな二輪馬車を指すことがある(古代の戦車とは別)。(→ 画像を見る) |