中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
道北マイバイクツーリング 2009
2009年7月21日(月)
晴れた雄冬岬から日本海側を北上、サロベツへ


札幌のホテルパコジュニアススキノで7時半に携帯電話の目覚ましが鳴って起きる。


ホテルパコジュニアススキノ

昨夜コンビニで買っておいたサンドイッチを食べてからTシャツ1枚でロビーから外に出てみると、雨は止んで曇り空だが、寒い。これはパーカーを着ないとダメだろう。
持ちえる完全防備で走り出す。出発時間は9時半なのでちょっと遅め。9時には出たいですね。

今日は石狩市から日本海側をどんどん北上してサロベツ原野まで出る。海沿いのせいか、低気圧の名残か、風が強くて横にぶれる。こんな強風は襟裳岬以来だ。

厚田村(現:石狩市)の恋人の聖地に行ってみる。高台の展望台だが、NPOが恋人の聖地として売り出しているようで、鍵を結びつけると恋が成就するという。



そんな恥ずかしいことはどうでもいいが、眺めはよかった。

雄冬に向かう。雄冬は20年ほど前に国道が開通し、陸の孤島でなくなった漁村。高倉健主演の「駅STATION」に登場したことで一躍有名になり、開通直後まではまだ渡し舟が残っていたので、森田敬和と一緒に行ったことがある。



雄冬の高台にも展望台があり、登ってみた。



こちらは岬がビューポイントで、眺めがよかった。

とにもかくにも、天気がよくなったのが最大の喜び。逆に、昨日のような雨だったら、この強風の海沿いの道はどうやって走っていたのかと、気になる。おそらく走れなかっただろうし、レインウェアも無意味だったろう。
バイクは自然と対峙していると、いつも思う。



オーベルジュましけでランチ

雄冬から増毛に出て、増毛市街の南にある「オーベルジュましけ」でランチ。
増毛町出身の三國清三(みくに・きよみ)シェフがプロデュースしたという。混んでいるかと心配したが、広いホールで予約無しでも充分だった。



ワンプレートランチ2000円。



ちょっと手が込んでいて、おいしかった。特に冷製コンソメスープはおいしかった。肉は柔らかかったが、白身魚が硬かったのが腑に落ちない。

その後、増毛駅に。



2007年暮れ、取材で大楽毛(おたのしけ)〜増毛(ましけ)を訪れ、おかげで見事に増毛(ぞうもう)に成功したお礼参りである。

あとはひたすら北上するのみ。暖かいのでパーカーを脱いだ。




サロベツの夜

道路に自分の影ができるくらいに晴れているので、増毛でパーカーを脱ぐ。
増毛町北部の日本海側は合併もしなかった小さな町や村が連なる。それぞれ個性的な町村で、うれしいことにそれぞれに公共の宿がある。「公共の宿評論家」なので、1軒ずつ見て回る。

増毛町:オーベルジュ増毛
小平町:ゆったりかん
苫前町:苫前ふわっと
羽幌町:サンセットビーチはぼろ
初山別村:岬センター コスミックイン
遠別町:旭温泉
天塩町:てしお温泉夕映
幌延町:公共の宿はない


日本海に面しており、風が強いので風力発電が盛ん。



苫前町郷土資料館は旧町役場のレトロな建物を利用したもので、大正期に山奥の三毛別(さんけべつ)集落で実際に起きた、人食い熊による襲撃の模様をジオラマで再現している。三毛別の現場にも当時のわら作りの家を再現した模型があり、そちらにはすでに行ったことがある。今は離農して無人地帯だが、当時は道もぐねぐねで未舗装、そこに開拓に入ったのだから、昔の人は偉いとしか言いようがない。そこに熊が出て7人も食い殺した、人類史上稀に見る熊害事件が起きたのだ。



国道231号と並行して国鉄羽幌線が走っていた。すでに廃線で多くの構築物は除去されたが、まだ橋梁が残っているところがある。もっと残して近代遺産を後世につなげればいいのに、炭鉱はじめどんどん壊したり廃墟にしていては、江戸時代のものまでしか残ってない国になる。



幌延町から国道をそれて、日本海側の道道106号を走る。晴れていれば左側に利尻岳と海、右手には丘陵地と風力発電を見ながらの一本道の絶景ロードだ。

川を渡ると遠くに風車が列を成しているのが見える。あそこまで走るんだ。
利尻岳はあいにく半分雲に隠れているが、そのうち頂上が見えた。真ん中だけ雲だ。相当高い山だという事がわかる。風車に近づくと相当の迫力。このように1列に並べて建てているのは珍しいのではないか。たいていパラパラとランダムに建てているように見える。



サロベツ原生花園に行く道に折れ、今夜の宿「民宿あしたの城」に。ここはとほ宿で、その中でもちょっとレベルが高い。二段ベッドの相部屋になっていたが、遠別から電話をすると広い個室が空いていたので、そちらに変えてもらった。どうも急な変化への対応のため最初は相部屋にしておき、個室が空けばあてがっているようで、ひとつのやり方だろう。

ここは道に迷う人が多いらしいが、マップコードを調べていたので難なくたどり着いた。電話番号をナビに入力すると誤った場所を示すらしい。最後が砂利道の路地になるので、それを見失うとたいへんなことになるだろう。

道路からは見えなかった建物だが、とてもすてきな建物で、女性にも受けると思う。
荷物を下ろして3階の屋根裏部屋みたいな部屋に案内される。広くて何もなくて、板の間に自分でふとんを敷いて寝る準備。



宿の庭から見えるはずの利尻岳は雲に隠れてしまったが、夕日がきれいなので外に出ていると、最後の客と言うライダーがやってきた。どうやら女性らしい。ヘルメットから覗く笑顔は美女。それもきわめて私好みのインテリジェンス美女。

食事は牛乳鍋。オーナーの指示に従って具材を鍋に入れていく。われわれは一人旅のテーブルで、JRで来た男性2人とクルマで来た鹿追の女性(美女)、そしてライダーが二人。

女性ライダーには美女がいないという説があるが、私の周りは美女だらけで、常に恵まれていると思っている。って言うかブスは最初から圏外で眼中にないので、見てないだけなのかもしれないが。
その後も、何人かの女性ソロライダーとすれ違ったが、みんな美女に見えたのは気のせいでしょうか。

別のテーブルは夫婦者が多い。年配の夫婦でも充分に対応できる宿なのだ。
聞けば東京の同じ町内のご夫婦もいて、この宿はふ・し・ぎ。




<<前の記事< TOP >次の記事>>
© N.Kitagawa, All rights reserved.