中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
道東マイバイクツーリング 2008
2008.09.16 その4 知床の虹
16時13分に知床自然センターに戻ると、小雨と強風になっている。でも先の空には見事な
虹
がかかっており、雨も一時的だろうといちおう上だけカッパを着て下はオーバーパンツのまま走ることにする。雨用のグローブも7140円で買ったのだが、なぜか親指が入らず、無駄に時間を費やすだけなので普通のグローブで知床峠を目指して走り出した。虹が山の中から発生しているようで、実にきれいだ。虹を求めて走るのだが、虹は逃げていく。まさに幻、永遠につかめない美。バイクを止めて雨に打たれながら見入ってしまった。
しかし、
知床峠
への道を登れど雨は止まないどころか強くなり、びしょびしょに降りだした。これは下もレインウェアにすればよかったと後悔したが、この状態で穿いてももう手遅れなので、このまま走ることにする。
しかも峠が近づくに連れて霧まで出て、10m先がかろうじて見える程度。雨と霧と峠道。これは最悪である。でも、スリップしないように耐えて走るしかない。霧のかなたに峠の駐車場の看板が見えたので、峠になったのがわかった。
「知床峠」の碑の前にバイクを止め、雨からデジカメを守るようにして写真を1枚だけ撮影。すぐに羅臼側に下る。駐車場は1台のクルマもなく、羅臼岳もまったく見えない。
羅臼側のほうが雨脚が強く、しかもワインディング。数台のクルマとすれ違っただけで、背後から来なかったのは幸いだ。日没の5時半まではまだ時間があるけれど(あと30分くらいだが)、あたりはすっかり薄暗く、もう夜。「羅臼まであと○km」の看板だけが救いで、1kmずつ減っていくのを確認しながら、必死で羅臼の民宿まで走る。
国道から1つ入った路地に、目指す
民宿いしばし
があった。ほっとした。5時を過ぎており、あたりは暗くなっていた。雨はまだ降っており、荷物を下ろすのが大変だった。
びしょびしょの衣類や防水バッグを玄関に持ち込む。カッパやオーバーパンツは玄関で脱いでおばさんにボイラー室を聞くと、台所の奥にあるらしく、衣類をかけさせていただいた。ボイラー室を聞くなんて、北海道のプロだね。オーバーパンツは防水スプレーをかけておいたが防水効果は薄く、ジャージもしっとり濡れていた。屋根つき駐車場がないので、マジェスティは生まれて初めて雨に打たれる夜になる。
「12年前のアトランタオリンピックの有森裕子の銅メダルのテレビ中継をここで見た(本当)」と言っておいた。8畳の広い部屋に通された。
おじさんが出てきて相変わらず上機嫌。新たに温泉を引いてきたらしく、まずは入れと言う。自慢の温泉「鹿の湯」である。ところが温泉の入り口がわからない。おばさんに聞くと「玄関を出て裏」と。それじゃまた濡れるじゃないか。
びしょびしょの雨の中、裏の鹿の湯に行く。たしかに温泉の臭いだ。3人も入ればいっぱいの湯船と2人くらいの洗い場。しかしとにかく一段落。これがキャンプならどうなっていることか。雨の中にテントを張ることくらい虚しいことはない。調理も厳しいだろう。
そしてお食事。毛蟹1杯がついていた。もはや蟹など見飽きたが、食べなければなるまい。となりのテーブルではすでに真っ赤に出来上がったおじさんが、知り合いらしき客夫婦とチャンチャン焼きを食べている。向こうのテーブルでは一人のおっさんがジンギスカンを食べている。明らかに私のテーブルとは料理が違うが連泊メニューなのかな。
酔っ払いのおじさんたちの会話がおかしくて、こっちまで笑ってしまう。
おばさんがかに汁(味噌汁)を持ってきたが、異常においしい。蟹はたくさん入っており、身もたっぷりだ。一つ一つすすってしまった。おじさん・おばさんにも感謝する。
明日の天気予報は晴れらしいが、明日以降どうしようか。台風13号も気になるし。
走行距離:178km
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