中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
道東マイバイクツーリング 2008
2008.09.16 その3
カムイワッカ湯の滝へシャトルバスで。そして知床峠

今日三番目のハイライトは、知床半島の秘湯と呼ばれたカムイワッカ湯の滝に行くことだ。流れる川が温泉という珍しい秘境中の秘境で、岩場を登って上の滝つぼで温まれるのだ。ツーリングのルートを計画するとき、地図やガイドブック、ネットを見ながら、どこへ行って何をしようか何が見どころだろうと考えながらコースを組み立てていくが、かつて時刻表をめくりながらローカル線の乗りつぶし計画を立てたときのあの楽しさと通じる。

12年前の1996年に家族で来たときは知床五湖の先からの砂利道をマイカーで走れて家族で滝つぼの湯に入ったのだが、世界遺産なんかになってしまったものだから、環境保全とか落石防止工事とかで、マイカーは通年通行ができなくなってしまった。だが、夏場の一時期のみ工事を中断し、シャトルバスを走らせて高い金(往復1180円)を取って行かせてやってくれるのだ。
それなのに、かつて入れた上の湯つぼは落石で入ることができないらしい。下のぬるい湯にちゃぷちゃぷするしかないらしい。けれども「果て」の好きな私は9月20日まで運行されているシャトルバスに乗って、カムイワッカ湯の滝を再訪することにした。

クルマやバイクはウトロ集落の先の知床自然センターに停めて、ここからシャトルバスに乗るようになっている。20分後に出る14時40分のバスの切符を買う。知床五湖経由で15時23分に着いて10分後の15時33分に折り返すこととする。次のバスを待っては羅臼着が遅くなりすぎるので10分だけの滞在でも可とした。
時折小雨と強い風になるが、バイクの服装では昨日の大雪高原みたいに暑いだろう。そこでジャケットとオーバーパンツを脱いでバイクにくくりつけ、変わりにフリースを着る。バスは大型の観光バス。知床自然センターから乗る客は10人もいない。知床五湖に寄って数人が乗り込み、いよいよ砂利道に入る。12年前にクルマで走っただけだから道の内容はまったく記憶にないが、バスから眺めると小砂利が浮いており、ところどころ穴が開いている悪路で、これはマジェスティでは来られないと思う。オフロードバイクの世界だ。




立派な角の1頭の鹿や、かわいい子連れの鹿の一家に遭遇するとバスは徐行。海が広がる絶景ポイントでは、バスの客一同は声を上げて椅子から身を乗り出した。
そうこうしてカムイワッカ湯の滝に着いた。地の涯らしい静けさと無言の重力のような迫力を感じた。かつてはさらに先の知床大橋まで行けたのだが、今は警備員がいてまったく行けない。1996年に行っておけばよかったと悔やまれる。なお、知床大橋から先にも林道があり、漁師は番屋に行くと言う。現に数年前に海上の知床観光船から見たら、かなり先まで道はあった。

カムイワッカシャトルバス

川の脇を少し登って写真を撮りまくる。三脚を立てて自分も映る。客の何人かは靴下を脱いで上まで行ったが、私は下のぬるいというより単なる水に触っただけで、かつて子どもたちと入ったカムイワッカ湯の滝の思い出に浸ることにした。来たバスで戻らないといけないのだ。最後の写真を撮ってバスに戻ったらエンジンがかかりドアが閉まったので、走ってドアをたたき乗せてもらった。帰りのバスは混んでいた。



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