中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
道東マイバイクツーリング 2008
2008/09/14 その3 大雪高原山荘は、山小屋と侮れない
大雪高原温泉の発見は怪我の功名と言える。昭和29年(1954)9月の洞爺丸台風は北海道の広範に大きな被害をもたらし、大雪山の木々は強風で大量に倒れた。この風倒木の処理に当たった作業員があるとき温泉を発見した。これが大雪高原温泉だという。
温泉には1軒の山荘があり、6月から10月のわずかな期間しか営業していない。特にこれからの時期は日本一早い紅葉がめでられるといい、しかもちょっと登ったところから沼が点在し、それはそれは美しいという。沼地の一周は4時間程度らしいが、短縮コースでもいいから沼と山と紅葉のコントラストを楽しみたいと思った。
砂利道を走りきって5時32分に大雪高原山荘に着いた。まだ周囲が見渡せる明るさだった。通されたのは2階の8畳間の簡素な部屋で、テレビはない。あっても映らないのだろう。冷蔵庫とお茶のセット、鏡台とストーブがある。

大雪高原山荘

食事は6時半からというので温泉に入る。ぬる目の湯あたりのいい、実にいいお湯だ。露天風呂に出るとすでに星が輝いている。タッチの差で日没(暗転)に間に合った。砂利道を走ってたどり着いた温泉に入るのは格別だ。わが身の幸せを感じる。周囲がそうしてくれたのか、自分で勝ち取ったのか。一人で旅に出るといろいろなコトを考える。

食事は大食堂でとる。前菜が卓上に並んでいたが、その後、ニジマスの塩焼き、茶碗蒸し、山菜と舞茸のてんぷらなど、熱い状態で次々と運んで来てくれた。おばさんが各テーブルを回るのでたいへんだろう。あまり酒は飲まないが、秘湯ビールというのがあったので飲んでみた。見た目は濁っていて地ビールらしさが出ているが、ありがちな苦さがない。素直に飲めた。食事は最後に出てきた蒸し物以外はみなおいしかった。




夜は部屋でデジタル機器の充電と、ブログ原稿の執筆である。携帯電話がまったく通じないのでアップは明日になる。しかし原稿を書いておかないと忘れる。コンセントが石油ファンヒーター用の1つしかなく、パソコンは電池で使っていたけれど、そのうち果てた。
それらをしている合間にコインランドリーで洗濯。すでに3日分の衣類を消費しており、実は4日分しか持ってきていない。予定の行動だが、コインランドリーなど使ったことがなく、洗剤の量からして悩んだ。乾燥機は1回30分だと生乾きで、2回1時間したら、ほぼ乾いた。バイクの荷物用のロープを部屋に張り巡らして、干した。

大雪高原山荘はコンセントが少ないこと以外、食事もサービスも部屋も、そして温泉も申し分ない。トイレは客室の外だが洗浄トイレだ(1階は普通の洋式)。売店もオリジナルグッズ主体で好感が持てる。これはまた来てしまうかも知れない。



走行距離:257km


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