中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
道東マイバイクツーリング 2008
2008.09.14 Sunday
美唄鉄道跡とアルテピァッツァ美唄

ホテルのフロントに降りて「10時までに郵便が届くので届いたら部屋に電話をください」と頼みつつ、気温チェックで外に出てみると、意外とさわやか。見た目の快晴度と気温は、東京とは明らかに違う。となれば、上はジャケットにインナーをつけてTシャツと長袖シャツ、下はジャージにオーバーパンツという重装備にしよう。

客室でテレビを見ていると9時44分に電話が鳴って郵便が届いたとのこと。荷物を持って降り、チェックアウトする。確かに昨日午前に東京から妻が送ってくれたヤクである。さっそく昨日の分を合わせて服用。これで一安心。しかし今日は層雲峡の先の大雪高原まで行かなくてはならず、距離が250km以上あるだけでなく、最後は未舗装路の山道を10kmほど走らなければならないのだ。4時過ぎに暗くなり始める北海道だから、とにかく早く着きたい。
どうして大雪高原かというと、日本一早い紅葉が眺められるとのふれこみであり、1本の林道を走り抜けると1軒宿の大雪高原山荘があって、良質な温泉も引かれているとのコト。いち早く紅葉をめでてみたいので、この時期は予約激戦だったが、なんとか押さえることができたのだ。

10時3分に札幌のホテルを出て、道路標識を頼りに札幌ICに。GPSナビゲーションをつけているけれど、老眼なのでほとんど見えず標識で目的地を目指すアナログな走行が主体です。本来ならば高速は極力忌避したいのだけれど日暮れ前に着きたいので時間短縮のためやむを得ない。高速に乗る前に道内初の給油をする。バイクの燃費は28km/リットルくらいといいのだが、タンクは小さくて12リットルしか入らず、大雪山付近はガソリンスタンドも極端に少ないのでこまめな給油が必須なのだ。
道央自動車道はマイカーでも何度となく走っているが、バイクは初めて。周囲に何もない田園地帯を走るためかなりの横風を受ける。吹流しが45度くらいになびいている部分もあった。80km〜100km/hくらいで走る。身体をやや前傾にして、肩をすぼめて走る。



11時15分、美唄ICで降りた。ヒマそうな料金所のおじさんが待ち構えたが、ETCレーンを走りぬけたので意外な顔をしているのが見えた。まずは今は亡き美唄鉄道のあとに沿って東へと走る。東明駅が残っていると聞いており、その付近をそろりそろりと走ると、駅舎と蒸気機関車が保存されていて、しばし写真を撮った。
続いてアルテピアッツァ美唄へ。ここは廃校となった栄小学校の敷地や設備を活用し、地元出身の芸術家、安田侃(かん)の彫刻作品を展示してあるユニークな屋外アート空間。うれしいことに無料である。

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アルテピアッツァ美唄

ミニモエレ沼公園といった感じだが、木造のかわいい校舎と、緑豊かな元校庭とを活かしつつ、木々までも取り込んで芸術空間にした手腕はすごい。木造校舎は入れるようになっており、木の扉、木の廊下になつかしさがこみ上げてきた。私の小学校時代の校舎はおそらくは戦前からあった木造校舎で、その思い出がこみ上げる。木の床の教室の中にも彫刻が展示してあり、木の桟のガラス窓から見える校庭とマッチしている。
ジャケットは脱いでいるけれど、歩いていると暑く、腕やジャージとオーバーパンツの下は汗ばんでいる。しかし高速道路を疾走するとこれでもちょうどよく、温度調整がたいへんだ。暑いときは暑く、寒いときは寒いのがバイクである。

アルテピアッツァ美唄

時間はちょうど昼なので、ランチは美唄名物の焼き鳥を食べたい。美唄の焼き鳥はその名の通り鶏肉を使うのだが(室蘭は豚肉を使うのに焼き"鳥"と言うので有名)たまねぎを間に挟んだり、モツはすべての部位を1本の串に刺したりと、それなりに特徴がある。
昨日、地図で検討をつけておいた市街をグルグルまわるがそれらしい店がみつからない。あっても、さすがに日曜日の昼からやってない。路地裏を歩いていたおっさんに聞いたら「"かつみ"という店がやっている」と電話で確認してくれて、「パチンコ屋の角を曲がって…」と、道を教えてくれた。礼を言ってその場所に行くが、どうもさっきウロウロした場所だ。そしてどうしても見つからない。
なかば諦めて国道12号に出たら「美唄名物焼き鳥 たつみ →100m」と電柱広告を見つけた。"かつみ"じゃなくて"たつみ"なのか。聞き違えたのか。広告に書いてある番号に電話をして場所を聞く。目の前の病院の角を曲がったところらしく、さほど遠くないようだ。「ベージュの建物なのですぐわかりますよ」とおばさんは電話口で言ったが、曲がってもそれらしき建物も看板も見つからず、またもウロウロする。そうしてようやく、クルマが延々と路上駐車しているところに「たつみ」の暖簾を発見し、入ることができた。クルマが邪魔をしてよく見えなかったのだ。
けれどもすごい待ち人。どうも食事の人と焼き鳥の持ち帰りの人が輻輳しているようだ。順番を書く用紙もない。が、おばさんに話すと、カウンターを片付けてくれて、先客とそこに付いた。ほとんどが持ち帰りの客だったようだ。

美唄焼き鳥

焼き鳥が2本付くとり飯定食650円を頼んだが、待たされると覚悟。宿への到着が遅れるのを危惧したけれど、まず焼き鳥が2本出てきて、しばらくするととり飯が出てきたのでなんとか2時に出発することができた。美唄で1時間45分も費やしたのだった。焼き鳥はボリュームがあってそれなりにおいしかったけれど、食べに行くほどでも…。

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