北海道へ行こう
旅の基本 お勧め旅館・ホテル ドライブ 北海道の原点

北海道の原点

北海道観光の魅力は広大な大自然。
しかし自然が残っている「若い観光地」だからこそ、北海道について知らなければならないことがあります。それは「歴史の旅」ともいえます。本土と比べてあまりに短い「歴史」だからこそ、急速な発展の影に知られざる歴史があります。
美しいパッチワークの丘が大自然ではなく、実は大・人工(だい・じんこう)なのにお気づきでしょうか。人々の労苦の上に、今の観光が成り立っていると言っても過言ではないのです。

どんな観光ガイドブックにも紹介されていない?しかし知るべきである北海道の原点をご案内します。

アイヌ文化博物館 アイヌ
北海道で忘れてはならないのが先住民族アイヌです。江戸時代末期から和人(本土の日本人)が北海道に入りました。風貌も文化も異なった先住民族アイヌは、和人の武力に攻めたてられ、理不尽な要求を呑むしかありませんでした。
しかし自然を神とあがめ自然と対峙していたアイヌの人々の暮らしぶりは、今こそ学ぶべきだと思います。

リンク:アイヌ文化博物館(平取町)
平取(びらとり)町は苫小牧から帯広方面に抜ける国道237号線沿いにある町です。平取牛が有名で、びらとり温泉で食べられます。

   先住民アイヌ民族
美しい写真でアイヌ民族の暮らしを説きあかした本。
   アイヌ神謡集
知里幸恵は聡明なアイヌの少女。アイヌの間に口伝されている叙事詩ユーカラをローマ字で書き表し(アイヌ語に文字はない)、日本語に訳した。その美しい響きとどこまでも神秘的なアイヌの物語は心を打つ。
幸恵はアイヌ文学者金田一京助に見出され、旭川の近文部落から東京に出てきていたが、20歳で夭折した。
アイヌ北方領土学習にチャレンジ
アイヌの暮らしぶりを学ぶためのワークブック。
オキクルミの冒険
アイヌに伝わる童話を、国会議員まで勤めたアイヌ出身の萱野茂氏がわかりやすく書き改めた絵本。

囚人労働
明治以降、北海道の開拓に尽力したのは屯田兵、これは小学校でも習います。しかし屯田兵が入植する前に、道を開き田畑を開墾した人たちがいました。それは囚人でした。
明治維新後の内乱で政府側に破れた「賊軍」の兵士(下級士族)や凶悪犯たちは、安価な労働力として未開の北海道開拓に送り込まれました。周囲はヒグマの生息する大原野、冬は雪で閉ざされる天然の流刑地に、男たちは二人一組で鎖につながれ、最後の生きている証のため巨木を倒し、腰まで沼地に浸かり、道路を作ったのです。
労働に耐えられずに死ねば極悪人を処分できて一石二鳥だと言われ…。

リンク:樺戸博物館(月形町)
北海道で最初にできた刑務所を活用した、囚人労働を伝える博物館。
樺戸博物館

赤い人
囚人労働を描いた吉村昭の小説。その過酷さに、司馬遼太郎氏は読み終えて数日呆然としていたという。
樺戸監獄
110年前、わが国で3番目に開庁した樺戸集治監。凶悪犯や国事犯など長期流刑・徒刑、懲役終身囚を収容した監獄の実態と裏話。

羆(ひぐま)
明治以降、入植者を苦しめたのは寒さ、飢え、いなごの大発生、そしてわが国最大の猛獣であるヒグマの脅威でした。
大正4年、北部の苫前(とままえ)の開拓地に1匹の羆が出没。主婦を食い殺し、味をしめた熊は次々と人を襲います。家に隠れる…といっても大部分の家はわらで囲っただけの粗末な家でした。警察に連絡を取ろうにも雪道を歩いていくしかありません。それだけで決死隊だったのです。

リンク:苫前町熊害現場(苫前町)


苫前町三毛別熊害再現現場
羆嵐(くまあらし)
大正4年に起きた、8人を食い殺した熊害事件を描いた吉村昭の小説。テレビドラマ化され、苫前町郷土資料館で一部が見られる。また、高倉健主演でラジオドラマ化もされた。
慟哭の谷
1915年12月北海道苫前村。開拓地を襲い、死者8名を出した巨羆。熊害史上世界にも例を見ないこの惨劇の戦慄のドキュメント。

タコ部屋労働
囚人労働はさすがに批判を浴び大正期になって一段落しましたが、それでも北海道開拓の労働力は必要でした。そこで生まれたのが拘禁労働で、内地からなかば騙されて連れてこられた若者たちは、自らの肉体を食べて生き延びるタコにたとえられ、あるいは他の地域から雇われたことを意味する他雇から、タコと蔑まれて過酷な肉体労働に従事したのです。
彼らの仕事場は鉄道建設や灌漑現場など。安全性や衛生などを無視した長時間労働、逃げようとする者には死のリンチがあり、中には生きたまま人柱にされる者もいたといいます。

リンク:北辺に斃れたタコ労働者
常紋トンネル

常紋トンネル―北辺に斃れたタコ労働者の碑
網走・旭川間の鉄道トンネル付近から50体以上の人骨が発掘された―。北海道開拓に使役された囚人労働の実態を調査していた著者が、囚人に代わって拘禁労働の主力となっていた「タコ」と呼ばれる土工夫たちの行跡を追った記録。鉄道・道路・港湾・潅漑溝工事などに酷使され、斃れていったタコ労働者。社会の底辺で沈黙を強いられてきた人々の呻き声が聞こえてくる。
おれは、にんげんだ―タコ部屋労働・朝鮮人労働、そして今 母と子でみる
1934年〜36年に行われた藻岩発電所建設工事。長時間労働、超過密労働という人権無視により、多くの犠牲者が生じた。長期にわたる藻岩の掘り起こしでの事実を、当時を知る関係者からの貴重な意見とともにまとめる。

開拓の村 入植
北海道に新天地を求めて入植した人々は、寒さを初めとする大自然の驚異、そして政府の無計画さなども加わり、たいへんな労苦を味わいました。
しかし入植者たちは希望を失わず、「今」の北海道を築き上げたのです。
札幌市郊外の「開拓の村」はオープンタイプのミュージアムで開拓当時のレトロな建物が移築されています。馬車も走り、夏休みにはエキストラも出演して、往時の活気を再現しています。

リンク:北海道開拓の村

北の零年 通常版 DVD
幕藩体制が終わりを告げた明治維新初期を舞台に、四国から北海道への移住を命じられ、過酷な大地で懸命に生きようとする四国・淡路の稲田家の人々を描いた感動のドラマ。吉永小百合、豊川悦司、渡辺謙ほか出演。
家族 DVD
山田洋次が原作・脚本・監督を務め、高度経済成長期の日本を背景に、時代に揺れるある家族の姿を描いたロードムービー。九州伊王島に住む精一とその家族。小さな島で家族5人の生活に限界を感じた精一は、勤め先の倒産を機に家族を連れて北海道へ向う。
井川比佐志、倍賞千恵子ら。

士幌線廃線跡 廃墟
明治以降、特に炭鉱に目をつけた資本家たちは、こぞって北海道に投資をしました。そして囚人やタコ部屋労働者などを使い、急速に開発が進みましたが、昭和末期に閉山があいつぎ炭鉱町や輸送インフラであった鉄道は次々と消えていきました。
道内には廃墟となった施設が数あり、これらを訪ねると、栄枯必衰という言葉をしみじみと感じます。

リンク:北海道 廃線前を訪ねて


歴史廃墟を歩く旅と地図―水路・古道・産業遺跡・廃線路
在道の堀淳一氏による本。地形図を頼りに、廃墟をめぐる旅に出る。山腹をのたうつ煙道、海岸のトーチカ、新緑の鉱山跡、軍事廃墟、駅前ゴーストタウン。人工物と目覚ましく回復する自然の格闘の中を行く、新しい旅の発見!
鉄道廃線跡を歩く(10) 完結編
鉄道廃線ブームを作った宮脇俊三氏の本。北は北海道鴻之舞鉱山と紋別を結んでいた軌道から、南は沖縄北大東島の鉱山軌道まで80の廃線跡を掲載。路線の歴史や廃線に至る経緯、廃線跡の現状を写真と豊富な資料によって紹介。
北海道の大地を行く--廃線の旅
松前線や標津線など、廃線となった北海道の旧国鉄やJRの鉄道路線の歴史や役割、乗車した思い出などを写真と文章でまとめ、北の大地を走った鉄道の往時に思いを馳せる。かつての沿線にある関連施設のその後の姿も紹介。
山谷正著。


北海道の原点を訪ねる旅は、実は気持ちが疲れるかもしれません。そんなときは快適な宿でくつろいでください。下記の膨大なリストから選んで予約できます。


1)旅の基本2)お勧め旅館・ホテル3)ドライブ4)北海道の原点を訪ねる

より詳細な北海道情報は、観光まるごと北海道





[TOP]