中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
道東マイバイクツーリング 2008
2008.09.19 その2 新冠町、レ・コード館で感涙にむせぶ
日高山脈の西側、国道235号線を苫小牧に向けてひたすら北上する。ここはサラブレッド街道などとも呼ばれ、有名な馬産地になっている。競馬でおなじみの馬も、多くはこの一帯で生まれ、そして余生を過ごす。

馬

そろそろ昼にしなければならない時間。今日は寿司を食べると決めている。旧静内町(現:新ひだか町)の春立郵便局で、「あま屋はどちらですか?」と聞くと、「なんでそんな店を知っているんだ」と言うような顔で、どこの交差点を曲がればいいと、詳しく教えてくれた。ここからまだ15分くらいかかるらしい。
「あま屋」はずいぶん前にテレビ番組で紹介されていた寿司屋。さすが郵便局員で、教えてくれたその通りの道順でズバリ行き着いた。

カウンターとその向かいに小上がりのあるこぎれいな店。寿司以外にもとんかつなんてメニューもあるが、迷わず握りずしを頼む。出てきたネタに貝がなかったので、つぶとホッキを1貫ずつお好みで追加した。

あま屋

いや、この追加の貝類には参りました。つぶ貝はコリコリと歯ごたえがよく、それで居て歯切れもよく、甘みも感じられる実にいいネタ。ホッキ貝は生のまま(東京などは煮てあるので色が赤みがかっている)で、口に含むと磯の香りがして、食べ進むに連れて味が広がる。これだけでも充分なのに、ランチメニューには加えられていないのが、残念。というかワザと省いているのかな。総額で1700円でした。




しばらく走って新冠町のレ・コード館に立ち寄る。新冠町はレコードで町おこしを企画しており、このレ・コード館は全国から集まった74万枚のレコードが収納されている由。客は私一人なのだが、受付のおねいさんがホールでレコードをかけてくれた。スピーカーは特注で、建物ごとで一式だそうだ。

レ・コード館

おねいさんの選曲は、いつもと同じだったのかもしれないが、たった一人のためにこれだけの設備で、まるで私を知っているようなお気に入りの曲ばかりかけてくれて、これまでのツーリングや人生の思い出が走馬灯のように脳裏を巡り、泣けてきた。

その選曲は、
「まずはクラシックをお聞かせします。モーツァルトの"カノン"です」
これは定番だろう。誰もが好きな曲だと思う。
「次は映画音楽です。イージーライダーから"ワイルドで行こう"です」
わしのライダーズジャケットを見たからか。
「では邦楽から郷ひろみの"2億4千万の瞳"です」
をいをい、これは国鉄のキャンペーンソングじゃないか。踊っちゃうぞ。
「続いて洋楽です。オリビア・ニュートンジョンの"カントリー・ロード"です」
ジョン・デンバーのが有名だが、あえてオリビアか。高校時代、砂川から転校してきたSが、北海道に帰りたいとこの歌を歌っていたっけ。まるで私の脳を検索したような選曲。
「最後はジャズのスタンダードから"ナイトライツ"です」
これだけは知らなかった。

おねいさんがびっくりするほどのお礼を言って、次は別のおねいさんが蓄音機の紹介。昔、我が家にも電気で動くSP盤をかける蓄音機があった。鉄の針をレコード1枚ごとに交換するタイプ。今の若い人はわからないだろうな〜。
蝋缶レコードも聞かせてくれた。昔の蓄音機は音量を扉の開閉やラッパスピーカーの中にボールをつっこんで調節していたらしく、これは画期的な発明だったらしい。その発明家にiPodを見せたらなんというだろうか。

50分ほどレ・コード館に居て、大感激。そしてひたすら北上。気になるのは今夜の宿。札幌のホテルは三連休前でどこも満室なのだ。予約を頼んでおいた札幌の支店に電話をするけれどまだ今夜の宿の回答が得られないらしく、5時半ごろには札幌に着いてしまうからと、念を押す。
苫小牧から高速に乗らず国道36号線を走る。月寒にまで出てすすきのまであと4kmのときに電話が鳴り、連休と学会が重なってどうしても取れず、北広島のホテルなら取れるとのこと。北広島市ならさっき通過したよ。苫小牧で言ってくれればありがたく泊まったのに。ここまで来たら札幌繁華街に泊まるしかない。バイクから降りてケータイで楽天トラベルを見たら、21000円のホテルモントレエーデルホフ札幌が空いていたので、背に腹は変えられず、予約した。

ホテルモントレーエーデルホフ札幌

日本で一人で21000円の部屋なんて、この何年か泊まった記憶はない。昨日の望洋荘と比べようがないが、これで帳消しだと思う。ライダーが泊まるホテルではなく、彼女と泊まるホテルだ。
チェックアウトが11時らしいので、明朝11時まで居座るしかないだろう。


ホテルモントレ エーデルホフ札幌



走行距離:250km


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