中年になってからバイク・オートバイの免許を取得し、北海道ツーリングや関東周辺のツーリングを楽しむノウハウ
道東マイバイクツーリング 2008
2008.09.19 Friday
襟裳岬から日高三石に

襟裳岬の旅館 望洋荘で4時に目が覚める。寝る努力をしたが眠れない。部屋は相変わらず臭く、のどが痛くなる。早くここから抜け出したい。
だんだんと窓の外が明るくなった。5時過ぎにカーテンを開けてちょっと外を見てみると、どうやら快晴になりそうだ。結局6時半に起き出した。7時に食事。湯豆腐や焼き鮭の朝食で量はたっぷり、味も悪くない。
トイレ(大)に1回だけ行く。一応洋式だ。タイル張りのおそらく昭和40年代の便所。洗面もここでするのだ。これまでキャンプや夜汽車はじめ、さまざまな場所で一夜を過ごしたが、この宿は思い出したくない。サービスや食事はよく、悪気はまったくないのだろうが…。
8時過ぎ、とりあえずお礼を言って荷物をバイクに付ける。快晴なので、もう一度襟裳岬に行ってみることにする。昨日は無風に近い穏やかな天候だったのに、今日は風が強い。ま、これが普通なのだろうが。

襟裳岬

襟裳岬は南に突き出しているので、午前中は太陽に向かって岬を眺めることになり、岩はシルエット状態だ。ああ、こんなカンジね。もう当分来ない。と自分に言い聞かせるが、どうせまた来るのだろうが。
そして苫小牧に向けて走り出した。風はかなり強く、左の海側からガンガン吹いてくる。道路わきの吹流しは水平になり、かつ、ボロボロになっている。アップダウンの道で海がきれいだが、それを楽しんでいる余裕がない風だ。流されないように、必死で走った。




ところで、今晩のフェリーで帰ることにしているが、台風13号が本州付近にあって明日着いたら台風とともに大洗に上陸することになるだろう。昨夜から天気予報をあれこれ見て、暴風雨とともに常磐高速道で帰るのはいかがなものかと、逡巡していた。念のため、大洗で天気待ちの宿泊をするかもしれないと、大洗のいくつかの宿の電話番号をメモしてきてある。が、台風は避けられそうにない。
もうひとつ、こういうこともあるだろうと、わざと金曜日に乗船する日程にしてあるのだ。つまり1日伸ばしても日曜日に帰宅でき、業務への支障がないようにしてある(それにしても休みすぎだって)。そこで、10時を待ってフェリー会社に電話をし、予定変更を頼んでみると、あっさりOKになった。次は札幌の宿だ。苫小牧に泊まる手もあるが、1日を苫小牧で時間つぶしはできない。けれども楽天トラベルはじめ、ケータイで予約サイトを見てみるが、空いていないか、空いていても1泊2〜5万円と常軌を逸した値段である。三連休前夜なのだ。藁をもつかむ思いで札幌の支店に電話をすると、安請け合いしてくれた。なるべく早く返事をくれるよう頼んで、先へ進むこととした。

三石町(現:新ひだか町)の日帰り温泉兼公共の宿、蔵三に立ち寄り、一風呂浴びる。ここは2年前にできたばかりのきれいな施設で、望洋荘の汚れを払拭しようとした。平日で露天風呂に誰もいないのをいいことに、真っ青な空の下、太の字になって寝転ぶ。とても気持ちがいい。昨日の曇り空の下の荒涼たる風景とボロ宿で気分がすっかり滅入っていたが、おかげで完全にリセットでき、元のツーリングの楽しさが復活した。

蔵三

温泉から出ると、ママチャリで北海道一周をしているアンちゃんがバナナを食べている。恐ろしく装備が少ない。
「昔、君くらいのとき、自転車で北海道を巡りその楽しさが忘れられず、今は体力がないのでバイクで来ているんだ」
と、おやじの能書きを垂れる。
「この一周旅行は君にとって生涯忘れられない宝となるよ」
と言おうとして、ウザ過ぎると思って言わなかったが。わしも1974年、自転車で始めて北海道を走って、それが忘れられずバイクで来ているんだ。


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